・山下英利君
自由民主党の山下でございます。
本日は、御担当の大臣に金融と経済についての御質問をさせていただこうと、そう思っておりますが、冒頭、急でございますけれども、突然起こってまいりました社会民主党の辻元清美議員の政策秘書における給与の不正受給疑惑という問題につきまして、ちょっと一言御質問をさせていただきたいと思います。
先ほど法務大臣の方から宮崎委員に対して御答弁がございましたですけれども、改めて私の方からちょっとお聞きをさせていただきたいと思います。
辻元議員が弁明で、実際に本来、政策秘書が受け取るべき給与のうちの五万円しか支払っていなかった、残りは事務所経費に回していたということを認めておられますけれども、この段階で法務大臣としての所見ということではなかなか難しいかと思いますけれども、実際に申告もしていないといったようなこの状況を踏まえて、いわゆる詐欺罪であるとかそれから政治資金規正法、こういったことが取りざたされておりますけれども、法務大臣の御所見はいかがでしょうか、改めてお伺いを申し上げる次第です。 |
・国務大臣(森山眞弓君)
私もテレビあるいは新聞の記事等でそのような言葉があったということを承知いたしておりますけれども、あくまでも、犯罪の成否ということになりますと、捜査機関におきまして収集いたしました証拠に基づいて判断されるべきものでございまして、今の時点でお答え申し上げることはいたしかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、捜査機関におきましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づいて適正に対処するものと考えております。 |
・山下英利君
ありがとうございます。
また、その辻元議員の弁明を聞いておりますと、私は、弁明というか説明という中で、ほかでもやっているというような発言があったと。国会議員、国民の代表であります。ほかがやっているからというのは、弁明として私は適切ではないと、ルールを守るということがそもそもの基本であるこの文明国家で、ほかでもやっているから自分はいいんだというようなニュアンスを伝えること自体は、私は国会議員としての資質を問われるんではないかと、そのように思っておる次第です。そして、そのほかでもやっているという話の中で他党の議員の名前も取りざたをされるというようなことは、私はいかがなものかと思っております。
そこで、私は、名指しをされました自民党、公明党、保守党、与党として大変に遺憾であると、そう思っておるんですけれども、本日御出席の大臣に党の立場として御所見を伺いたい。塩川大臣、いかがでございましょうか。簡単に御所見をお願いいたします。 |
・国務大臣(塩川正十郎君)
最近世間は、ほかの政治家は皆まじめにやっているのに、一部の政治家の中でやっぱり不祥事件を起こしているのがありますね。そうすると、政治家全体が悪いと、こう言われておる。だから、これは甚だ迷惑なことで、多くのほとんどの政治家、一生懸命勉強もし、そして国民の立場を思うておられるのに、その迷惑はみんなかぶっている、大変御迷惑な話だと思っております。
私は、そういう自分のことを他人のせいにも同じように浴びせていくという、そういう考え方は私は非常に迷惑、遺憾、けしからぬ迷惑だと思っております。 |
・山下英利君
どうもありがとうございます。
自由民主党だけでなく、公明党、保守党という与党のほかの党の方に対しても弁明を、言及をされているということは本当に遺憾でございます。
坂口厚生労働大臣、公明党の立場として御所見をお聞かせいただけますでしょうか。 |
・国務大臣(坂口力君)
辻元議員から指摘をされました坂井弘一衆議院議員の、元議員ですね、元議員の秘書をしていた人の問題につきましては、これは昭和四十五年の八月一日から昭和五十年の一月三日まで、坂井元衆議院議員の第一秘書として勤務をいたしておりましたが、その間に一時、それで現在はもう、昭和五十年の四月執行の統一地方選挙に出まして、和歌山市議会議員選挙を経て、そして立候補、そして当選をして四期十六年を務めた、こういう人の話でございますが、この人が第一秘書をしておりましたときに、一時党の仕事をしたということがあったということでございまして、しかし、以後はこういう経過で、もう現在はお見えになりません。
そして、いずれにいたしましても、公明党といたしましては昭和五十二年から、秘書の意思を尊重いたしまして、特定議員の秘書としての地位を選ぶのか、あるいは公明党本部職員としての地位を選ぶのかの選択の手続を経た上で、その結果を尊重して配置を終えまして、以来、両者の混合ということはなく今日まで推移してきているのでありまして、他から指摘されるような構造というものは現在存在しない、こういうふうに思っております。 |
・山下英利君
ありがとうございました。
国会の立場として、本当に透明性を高めて国民の理解を得ていかなければいけない、これが大変大事なことだと思っております。この問題につきましては、これから厳正に、そしてルールにのっとってきちっとしていかなければいけないと、そう思う次第であります。
本来の金融経済についての質問に入らせていただきますので、厚生労働大臣、ありがとうございました。法務大臣も、私の質問終わりましたので、ありがとうございました。
それでは、柳澤金融担当大臣に御質問をさせていただきます。
いよいよ三月末が近づいてまいりました。日本の企業の大多数が三月末を決算期として、この大きな山を乗り越えようと今必死で頑張っているところであります。その中にあって、今このデフレ経済の下で、やはり社会の血液の循環を、流す努力をしなけりゃいけない。やっぱり患者もだんだん体力が弱まってくると大きな手術もできなくなります。
大手行、金融機関の不良債権の処理問題がこのデフレ対策という中でのまず血液を流すという役目で大変重要なわけでございますけれども、最近報道されておりますと、大手行の三月期末の不良債権の処理の見込み、当初予定よりも若干増えるというような報告もされておりますけれども、株価がまあ少し安定したということもあります。しかし、実際には三月末の決算を越えて、そして四月、五月の本当の決算を固める段階でどれだけの不良債権を処理できるのかというところに大きく掛かっているのではないかなと思っております。
この三月期末の不良債権の処理が、民間の銀行の発表は増やすという発表がされておりますことに対して、柳澤大臣の御見解と、それからこれは至急もう不良債権を処理していかなければいけないという大命題にありますけれども、民間の対応として政府、担当の大臣から見てどうお思いでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。 |
・国務大臣(柳澤伯夫君)
金融機関は金融仲介機能をしっかりと発揮するという意味で公共性を持っているということでございます。その金融仲介機能を最近の不良債権の増嵩がいささか阻害をしてきたのではないかというようなことが言われておるわけでございます。そして、そのためには不良債権の処理を加速化するということが必要なんだと、こういうことが多くの方から言われております。
他方で、金融機関の側はどういう状況にあるかといいますと、今、山下委員が御指摘のとおり、今度の決算期においては相当の不良債権処理を見込んでいるということを既に昨年の九月中間決算の段階でもこれを発表しているという状況にございます。これをどう見るかということでございますけれども、私どもとしては、そういうようなことになっているというのは大変積極的に評価すべきであろうというふうに考えておりますし、またその要因としては、やはり経済の状況を反映しているという面もありましょうし、また私どもが特にいろいろ講じました施策を金融機関の側で受け止めてくれている面もあるだろうと、こういうふうに考えているわけであります。
そういうものの中には要管理先についての認定の厳格化と申しましょうか、特に条件緩和債権について前々からこの場でもお答えしておりますように、いわゆる従来貸してきた、継続的に貸してきた先についても、その契約更改期に、その時点の債務者の状況に応じて金利を上げてもらわなきゃいかぬのが上げていないというようなものも、これは条件緩和債権なんだと、条件変更債権なんだというような認識をしてくれ、さらには要注意先の引き当てについても市場の評価というものを入れて考えてくれ、さらにはもっと、特別検査を行ったときには、これはもう特別検査の対象自体が市場の評価というものを反映するものになっている、こういうような施策を反映して多くなっている部分もあるだろうと、こういうように考えておりまして、いずれにせよ、そういうことで不良債権の処理が加速されることはプラスに評価すべきであろうと、このように考えております。 |
・山下英利君
ありがとうございました。
私も、銀行の支店長として直接その不良債権の処理に当たり、そして取引先企業との話合いを続けてきた者として、本当に今のこの状況下、銀行の、いわゆる金融機関の現場が正に混乱をしているという状況を申し上げざるを得ないと、そう思っています。
そもそも私も、銀行に入ったときに、銀行は公共性が高い、すなわち半分役所みたいなものだというような教育を受けて、そして育ってまいりました。その公共性とは何か。すなわち、戦後五十年で日本がこれだけ経済回復したのも、産業を育てると、本当に一介の自転車屋さんあるいは本当に小さな電気屋さんに対して資金を提供し、そして事業を伸ばしていってもらうと。そういう中で、銀行としての大きな使命、金融という大事な役割を担っているんだという自負もございました。
ところが、今は右肩上がりの経済成長が終わりまして、そして本当に日に日に体力を衰えさせていく企業というのを間近に見ながら、しかし一方では、銀行の不良債権を処理しなければ新しい新規の貸出しできないと。
今まで経常資金としてずっと資金を貸していた先に対して、約定で返済をしていただく。元々、短期の運転資金はいつでも返済できるんだと、それだけの体力そして営業を持っている取引先だと、それがリスクの判断の原点にありました。それが今、やはり事業がしぼんできているという中で、どうしても約定返済を付けなければいけない。そして、半年、一年がたっていくと、その企業の体力はますます衰えて、今度は要するに格付も下がっていってしまう。そうすると今度は新規融資にこたえられない。正にこれが貸し渋り、貸しはがしといって大きな批判も受けている。そんな中での大きな悩みを抱えた者の一人として、私はこの問題、非常に深刻であると、そのように思っているんです。
そこで、柳澤大臣に御質問をさせていただきます。銀行の公共性について、いわゆる政府はどうお考えになっていらっしゃるかということなんです。
民間企業という立場、それを離れたこの不良債権処理の問題を、本当に民間企業の常識では考えられないぐらい急速に進めなければいけない。そういう諸々の事情というものに対して、やっぱり政府はこれをどう推し進めていくか、あくまでも個別銀行の判断でやらなきゃいけないということになれば、どうしてもその体力の範囲内でやらざるを得ないと、そういう立場があろうかと思います。この辺についての御所見をお聞かせいただきたいと思います。 |
・国務大臣(柳澤伯夫君)
公共性の面については、一般に言われていることは、何よりも決済機能を持つネットワークの一環であるということですね。これはもう決済が、決済というのはもうぎりぎりのところで決済をしていきますから、これが滞ってしまえれば、これは連鎖的ないろいろな不都合な状況が生まれてくるという性質のもので、ただその一行にとどまらない影響を広く持つわけでございます。それから、やっぱりもう一つは、不特定多数の方々の大事な預金を預かるというようなことで、やはりその仕事のしぶりについてはそういったことを強く意識しなければいけないと、こういう面があろうと思います。それから第三番目には、今、委員が御指摘のような信用あるいは金融の仲介機能というものがこの任務としてゆだねられていると。こういうようなものをひっくるめて、一言で金融の公共性ということであろうと思うわけでございます。
そういうことであるのでございますけれども、今このような経済の状況の下で自らの健全性も維持しなければいけないと、それからまた、経済が非常に不振、低迷の状況のときにも、よく日ごろ培った眼力を発揮して本当に必要なところには必要な資金を供給していくということに殊のほか大きな使命を負っているというのが現状の金融機関の立たされている立場だろうと、このように思うのでございます。
そういうことなんですけれども、これもいろいろ十年ほど前にあったバブル経済の盛んなときに、金融機関というのは非常に審査機能を自ら弱めてしまったというようなことがありまして、その再建をしなきゃいけないというときになって今のような厳しい客観情勢が存在していると。この矛盾を一体どうやって解決していくかということでございます。今、山下委員はかつての御職業の経験から、現場は混乱していると言わざるを得ないではないかというようなことまでおっしゃられたわけですけれども、私も、その一端でしょうけれども、若干のことを聞いておるわけでございます。
そういう中で、じゃ、この審査能力の再建というものをどういうふうにやっているかというと、一つには、やはり率直に言って、今情報のいろいろな技術も発達しておりますので、そうした計数を大量的に処理して一定の判断基準を習得する、それと照らし合わせて取りあえずまず予選のスクリーニングをすると。そのスクリーニングに通過したようなものについて、あるいは通過しないものもボーダーラインのものについてはもっと念入りに、人的なソースを使ってこれを審査するというよう、いろいろ金融機関においても工夫をしていることも、あるいは先生も既に御存じのとおりかと思います。
いずれにせよ、そういった努力で、非常に厳しい状況ではありますけれども、金融に課せられた公共性ということの使命を全うするために、とにかくありとあらゆる工夫をしてもらいたい、それで自らの存立のためにも、ぴっちりした融資をすることによって収益も確保していただきたい、こういうことを私ども常日ごろから金融機関に対して申し上げているところでございます。 |
・山下英利君
ありがとうございます。
今、大臣おっしゃった正にそのことなんですけれども、銀行は不良債権を処理する場合に債権放棄をやるのかあるいは法的整理に持ち込むのか、これは本当に個別行のことであるという立場で民間に判断をゆだねなきゃいけない部分であると、そう思いますけれども、実際にやったことに対してやはり金融機関が大きな批判を浴びているということも否めないところであります。ここのところを政府として御助成をいただきたいというのが金融機関の気持ちではなかろうかと私は思っております。
そこで、そもそもこういった不良債権の発生の中で、やっぱりこれは経済の低迷が大きな要因でありまして、実際、先ほど金融機関の現場が非常に混乱をしているというのも、不良債権を処理しても後から後からわいて出てくるという状況で、いつまでやったらいいのか分からない、しかも半年、一年でどんどん、今、特に中小企業は疲弊してきている、新規の融資ができなくなってきている、そのような状況がございます。したがって、このデフレ経済を一日も早く克服して、経済を安定軌道に乗せなければ、これはただ単に銀行と金融庁との不良債権の処理という問題には決してとどまるものではないと思います。
今、最近は在庫の調整も進んで経済も循環的にはいい方向へ向いてきているという竹中大臣のこの間の御発言もいただきました。しかし、ここで気を緩めてはならない、わきをしっかり締めたデフレ経済に対する具体的な施策、これをどんどん進めていかなければ、やはり車の両輪である片一方の車が、車輪が止まってしまったら車はひっくり返ってしまうと、そのような状況だと思います。
竹中大臣につきましては、後ほど御質問をさせていただきますけれども、その不良債権の処理でこれは大きく期待をさせていただき、かつ非常に重要な役割を担っているというのがRCC、整理回収機構である、私はそのように思っております。
昨年の臨時国会で成立をいたしましたRCC、整理回収機構の機能拡充、これは正にこの不良債権を民間の銀行から切り離して、そしてそれを新しい形、うまく整理していくというところが、これは今度は国の、政府の支援であるというふうに思っております。実際、法律ができ上がりましてから、更にRCCの機能拡充が順調に行われているというふうに思いますけれども、企業再生のこのRCCの体制の整備、この状況につきまして、副大臣、まず御答弁をいただきたいと思います。 |
・副大臣(村田吉隆君)
今、委員が御指摘のように、昨年十二月に金融再生法が改正されまして、RCCの機能拡充が行われたところでございます。それに関しまして、これまでの専ら回収をするという、そういう機能に加えまして、再生の可能性のある債務者について速やかな再生に努める、こういう努力をしなければいけないということがうたわれたわけでございます。
こういうことから、企業再生につきまして、RCCにおいても、昨年十一月の一日にRCCの鬼追社長を本部長といたします企業再生本部を設置いたしまして、本年一月十一日に本部に、同本部に、外部の専門家等を委員とする企業再生検討委員会を設置したわけでございます。RCCにおきましては、こういった企業再生本部等を中心といたしまして、全国にある拠点において具体的な案件につきまして、再生をするというそういう目的のために企業再生に積極的に取り組んでいる、こういうふうに私ども承知しております。
今後とも、金融機関が抱える不良債権問題の正常化とともに、債務者、企業の再生が図られるよう引き続き積極的な取組をしていただきたい、していきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。 |
・山下英利君
ありがとうございます。
この整理回収機構、RCCの機能拡充、本当に大事な部分は、企業を再生させるというところにどれだけの人的資源、そして経営資源を投入できるかというところに私は掛かっているんではないかと、そのように思っております。そして、この再生についての大きな力となるのが、企業再生ファンドという形で民間のあるいは投資家の資金を集めた、新しい再生を目指すそのファンド作りであると。そしてまた、それを実施していく、実行に移していく、そうしたノウハウ、これは正に民間と官、民と官の協力の体制がきちっとできなければ前へ進まないものだと、私はそのように思っております。
したがいまして、この民間の活力をもっと導入してほしい、あるいは金融機関が不良債権をRCCに移しても、それは金融機関のいわゆるバランスシート上から外れますけれども、引き続きやはりそれをきちんと処理していく、その流れを作っていただければと、そういうふうに思っております。
企業再生と金融仲介機能の回復のためにこのRCCの役割は大変重要なんですけれども、是非ともそのRCCについての理解を国民に広めていただきたい、企業経営者に広めていただきたいと思います。決して、整理回収機構が墓場送りではないということをもっと強調していただきたいと思います。そして、新しい事業を育てていく、そのための支援をしていく、その場であるということを理解していただかないと、金融機関が破綻した、破綻したら健全な債権も取りあえずは整理回収機構、いわゆる墓場送りにされてしまう、この不安感というものが大変高いということをお伝えをさせていただきたいと、そのように思っております。
そして、いよいよ四月からはペイオフが始まります。実際、実質的には流動性預金を含めた一千万円までの保証というのは来年の四月一日以降ということで、これから一年間ペイオフに対する国民の理解を更に深めてもらう、そして制度の充実を図っていく、これが喫緊の課題であると私は思っておるわけでございますけれども。
また一方では、最近報道などでも見ますけれども、銀行の定期預金が一部銀行で解約されて、それが普通預金に滞留をしている、これは当然あり得る話です。しかし、普通預金に、流動性の預金に滞留をいたしますと、これは銀行にとってのいわゆるコストアップの要因になるということも十分踏まえておかなければいけない。
今は低金利でございます。したがって、利ざやは縮小して、そこの分の収益は薄くなっておりますけれども、元来、定期預金はコストが安い。だから、定期預金にしようという運動を続けていたわけでして、流動性の預金は毎日要求払いで支払わなきゃいけないという資金コストが掛かります。それとともに、事務的コストも掛かってくるということを十分御理解をいただきたいと思っております。
今、現状のそういったペイオフに対する流れ、この預金の流動について、金融庁の方から御報告をお願いしたいと思います。 |
・副大臣(村田吉隆君)
ペイオフをあと一週間ほどに控えまして、私どもも各銀行の預金のシフトの状況については注意深く見守っているところでありますが、委員が御指摘のように、預金の全般的な動向を見ますと、定期預金が分散化したりあるいは小口化したり、それから定期預金から流動性の預金にシフトしたり、そういう動きは見られるようでございますが、大手行、地方銀行ともに現段階では預金流出の顕著な動きは見られていないというところでございまして、私ども引き続き注意深く預金の動きについては注視してまいりたいと、こういうふうに考えております。 |
・山下英利君
ありがとうございます。
ペイオフについては国民的な関心事になっております。十分な注視をしていただいて、これが金融機関の破綻につながらないように、それは資金的な部分での流動性の確保をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
続きまして、この金融機関の不良債権処理問題、これに係ってやはり経済の動向というのが大きな課題でございます。
竹中大臣にお伺いをいたします。
最近、米国経済が底を打ったという流れの中で、日本のこれからの経済見通し、そしてやはり米国経済が底を打った中には、この回復の中には個人消費の回復というのが非常に大きいと聞いておりますけれども、やはり日本におきましても、この個人消費の回復に向けての具体的な施策というのが至急実行に移すべきではないかと私は考えておりますが、御所見いかがでしょうか。 |
・国務大臣(竹中平蔵君)
アメリカの経済動向と、それとの関連で個人消費に関する政策ということをお尋ねでございますけれども、アメリカに関しては正に山下委員御指摘のように、予想以上に明るい傾向が出ているというのが現状であろうかと思います。アメリカのブルーチップスのコンセンサス等々で見ても、今年三%を上回る成長になりそうだという見方もございます。特に、その中で個人消費が、設備投資に不安、不確定要因がまだありますので、注意深い動向を見守らなければいけないということだと思います。アメリカに対する依存度が日本経済もアジア経済も高まっておりますので、これが日本に対してかなり良い効果をもたらすということは期待できるのだと思います。
しかし、経済の自律的な成長のためには、やはり日本も個人消費と設備投資の動向が注目されると。現実に、今の経済の重荷になっているのは実は設備投資の方でございまして、個人は比較的安定はして、個人消費は安定はしております。しかし、そのウエート、大きさから考えて、個人消費の動向にやはり注目をしております。
さあ、しからば、その個人消費を活性化させる方法にどういうものがあるかということになるのだと思います。基本的には将来、財政の状況、年金の状況、そういったものに対する将来不安をなくさせて、それによって財布のひもを緩めていただくというのが基本なのだと考えております。さらに、規制緩和等々で新しい需要を生み出すような素地を作っていくということも重要なのだと思います。そうした中で、例えば規制緩和、税制というものがどのような役割を果たせるかということを今、経済財政諮問会議で議論をしておりますところでありますので、是非そういった観点からの議論を深めたいと思っています。 |
・山下英利君
どうもありがとうございました。
本当にナショナルプロジェクト、国民と一体になってこれは一つの目的を作らなければ、今、本当に大変な危機だと思います。
金融担当大臣、金融庁にお伺いを申し上げます。
今、株価が少し安定をしてきたと言われておりますけれども、これは空売りの規制強化を図ったということが大きく言われておりますけれども、私が質問させていただきたいのは、米国の空売りの規制と同様の規制を見直したけれどもというお話ですが、なぜもっと早く見直しをされなかったのか。そして、こういった米国の大手ファンドのように市場のすき間をねらって仕掛けてくる、そういったものに対しては、やはり市場の強化と監視の強化ということが喫緊の課題である。規制緩和と同時に、今度は検査、監視の力というものを大きく問われる、そのように思っております。大臣の御所見、お聞かせください。 |
・国務大臣(柳澤伯夫君)
委員は専門家でいらっしゃいますから、既に御案内のことで釈迦に説法になりますが、空売りということ自体は、これは市場のボリューム、取引のボリュームを大きくしますし、そういうことを通じて市場の厚みというものを増やすということで、むしろ我々はプラスに評価をしているわけでございます。ただ、空売り、信用売りのともすれば陥りがちな傾向として、これまでも指摘されてきたことですけれども、これを作為的な相場形成に用いるということがあるわけでございまして、この点についてはいろいろとこれまでも市場の規律ということで、規律そのものもするし、それについての監視、監督も行うということでやってきたわけでございます。
率直に言いまして、今回の規制を、何と申しますか、強化という言葉が必ずしも当てはまるとも私思いませんけれども、若干手直しをいたしましたのは、しばらく証券会社の検査が間が空いたということで、ローテーションでやっていますので、当然そこに入って検査をしたわけでございますが、そこから、率直に言わせていただきますと、証券会社の一部におきましては必ずしも日本のそういう空売りのいろんな規律というものについて十分な遵守状況にないねということが分かりましたものですから、それではこのまま放置するわけにいかないということで、全体空売りの規制とその遵守状況の実態を見直すということをいたしたわけでございます。
いろいろ言われているものの中で一つだけ例を挙げれば、要するに値付けのところです。値付けのところで実績が出たところのもので空売りしていいよということを今まではやっておったわけでございますが、そういたしますと、次々現物の玉で少しずつ少しずつ出合いが付くような値付けをしていって下げていく、それで空売りをしていくということで、これは作為的相場形成と言わざるを得ないわけですが、そういうことをやりまして。アメリカの方は一体どうなっているんだと、そこで気が付いたわけじゃありませんけれども、それはどうなっているかといえば、アメリカの場合には、現実の値付けのところと同水準ではやってはいけないと、空売りは。そうじゃなくて、その手前というか、それより高いところで空売りをするならしなさいということで、実にうまくそこのところをコントロールしているというようなこともありましたものですから、やはりアメリカと同じような方法の方がそういう変な誘因にならないだろうということで今回そういう改正をさせていただいたというようなことでございまして。
何と申しますか、お互い法をあるいはルールを遵守するということのために、そういう間違いを起こさないように、むしろ誘因を防いだ、ふさいだということでございまして、それをいつ、なぜやらなかったかといえば、やはり我々の検査の結果、これはちょっとこのまま放置できないなということがきっかけであったということで御理解を賜りたいと思います。 |
・山下英利君
ありがとうございます。
今回のことを大きな教訓としていただいて、そしてやはり、マーケットによっての違いでそのすき間をついてマーケットを攪乱するという大きな力が動くことを念頭に検査体制の強化に努めていただきたいと、そのように思います。
時間が、まだいいんですか──もう終わりですね。
冒頭、追加で質問をさせていただきましたので、本来お聞きすることが聞けなくなってしまいました。御担当の大臣には本当に申し訳なく思いますけれども、私の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。 |