議 事 録


■第162回国会 郵政民営化に関する特別委員会 (平成17年8月4日)


○山下英利君 自由民主党の山下でございます。おはようございます。
 小林委員に引き続きまして、この郵政民営化の法案の質問に立たせていただきます。
 この参議院での民営化の委員会、大分質疑を経まして、私も、本当に大勢の委員の質問、そして内閣の御答弁をお聞きしながら中身の理解を深めさせていただいているところであります。しかしながら、やはり依然として不安がぬぐえない点あるということは今現状、報道等でも言われておりますけれども、なかなかこの民営化の法案に対する理解が一般には浸透していないということはあろうかと思います。
 そこで、一昨日、参議院自由民主党幹事長の片山虎之助幹事長が質疑に立たれて、そして小泉総理ほか閣僚の皆さんからの御答弁をいただきました。私は、あの御答弁は本当にこの郵政の民営化の法案に対して不安を、不安を払拭するという努力が私は感じられたものだと思っております。また、そういった努力を続けてきていただいているからこそ一定の理解が進んでいるんだと、そのように私は理解をさせていただいているところであります。
 まず冒頭ですが、官房長官、これから会見ということでございますので、まず一言御答弁をいただきたいと思います。
 先ほどの小林委員の質問に関連するところでありますけれども、やはり今回の郵政の民営化の法案に対してやはり国民的な議論が高まっている中で一番大きな議論というのは、やはり地方、現状の国民的なサービスの基本である郵便局のネットワークが民営化することによってなくなってしまうんではないかという議論が大変大きいわけであります。
 それに対する理解、政府の方からは守りますという御答弁をちょうだいしているわけでありますけれども、官房長官に是非とも、まあ官房長官、島根県の御選出ということであります。土地柄もよく御存じのところであります。内閣の取りまとめ役として、一昨日の総理答弁に加えまして、この郵政の民営化の法案で議論となっている過疎地、それから地方、都市部を含めた郵便局のネットワークの維持について、これは採算面だけで住民サービスが、現状の住民サービスが毀損されるようなことはないよ、郵便局がなくなることはないんだよと国がお約束をいただけるような御答弁、是非ともお願いしたいと思います。
○国務大臣(細田博之君) 私は、ここへ参りますと三十三条の問題と広報の問題だけを質問されまして、いささか腹が膨れておるわけでございます。
 自民党との協議におきましても、私の県は過疎地で高齢地で、隠岐島という離島を有し、そして人口減少地域、高齢化地域ということでございますから、その議論の過程におきましても、陣内委員長の佐賀とかあるいは山崎理事の青森、田村先生の高知、そういった地方の思いを述べられますと、いやもうおっしゃるとおりだと、これこそ我が地方の心配であるということはよく身にしみながら、そして調整をいろいろな意味でさせていただきました。
 そして、柳澤先生始め自民党側からいろいろな調整案が出て、総理答弁になるような形できちっと、地方のあまねく今活動している郵政公社の郵便局、こういうものは残していくんだということを方針として決めているわけですが、私はもう一つ政治家の決意として、私は、全県一区の時代からほとんど全部の、全県下の、まあ一〇〇と言うと言い過ぎかもしれませんが、九〇%以上の郵便局を回らせていただいておりますし、あらゆる全特の会議、そして郵便局長会、婦人会、そういうものに出て、それで個別にも見させていただいております。そういう意味からいいますと、私としては、今の機能は絶対に残さなきゃいけない、これは政治家の判断として残さなきゃいかぬと、こう思っております。
 そこで、私は、(発言する者あり)いや、まだ言いますから。そこで、腹が膨れておりますので、もうちょっと言わせてください。
 そこで、私は、JRのことを思い出していただきたいんです。JR民営化したときに、確かに民営化しました。政府や政治家は何か言えないのかと言いましたけれども、私は、全県下、自慢じゃないけれども、島根県は全部赤字路線です。山陽新幹線以外は山陰、山陽、山陰、中国地方は全部鉄道赤字です。そして、無人化したいあるいは廃線したい、いろいろな交渉がありました。私は、そこに政治的にも関与し、市町村の方々と相談して、是非この駅は全部残してほしい。残念ながら、数キロの青木先生の地元の大社線はちょっと廃止になったんですが、バスに替えましたが、その他は全部あらゆる対応をしてくるということは、政治家として私はこれまでも対応してきました。
 したがって私は、あらゆる政治家が、私は、衆参両院、与党、野党を問わず、地元の問題として、万一このような郵便局は要らぬのじゃないかということを経営的判断だけで物を申すようなことがあれば、断固としてこれに反対をし、そして住民の方のためにやらなければならない、これはむしろ政治家としての務めだと思っております。規定が、民営化でございますから、それ以上のことが書けるかというと、確かに問題でございます。
 それじゃ、今の公社のままでいいのかという判断について申しますと、やはり私は、金融と保険業が今民営化をして、そして今手足を縛られ、もう手も足も縛られて大海の中に放り投げられるような格好である。この手足は、縛ったものは解放して、大海原で育った鯨を更に悠々と泳いでもらわなきゃいけないという意味で、まあ時間がないから詳しく申しませんが、そういった金融の民営化というものはあります。
 しかし、郵便局あるいは窓口サービスというものは、公社は、公社ではないが、特殊会社でございますので、私はそのような精神は生きておって、そして公の役割を生かし、かつ民営化という形と整合性を取らせるという形は、私は最大限取られているんじゃないか。そこで、地方の過疎地のこの思いというものを必ず政治家として実現しなきゃいけませんし、政府は当然それを尊重しなきゃならないと、こういうふうに考えております。
○山下英利君 ありがとうございました。
 政治家としての答弁、受け止めさせていただきたいと思います。そして、やはりこれ、民営化の法案という中で、政治家である、そして内閣のかなめである官房長官、今のような御発言いただいたということは非常に心強いと私は思っておるところであります。
 どうぞ御退席ください。
 それで、本題に入らせていただきます。
 今回の民営化の法案については、いろいろ言われておりました。三本の矢、要するに三事業というものを民営化とすることによって事業を切り分ける難しさというものが本当にいかに大変かということも実感をしているところであります。その点につきまして、三本の矢で一つにまとまっているものをばらばらにする、これは民営化だから、兼業はできないという形の中で、じゃそれぞれの矢をどうやって弱いところを補強していくかというところが今回の法案の非常に重要な部分だというところで、政府、与党ともいろいろ議論を続けてきたところであります。
 私は、ここでもう一度、今回議論になっております金融のユニバーサルサービスについて質問をさせていただきたいと思います。
 正に金融市場が本当にすごい速いスピードで変化する中で金融のユニバーサルサービスを全国的にこの郵便局のネットワークを通じて維持していくと、一方ではイコールフッティングと、要するに官から民へという問題をどうやって解決するのかと、これは本当に大変なことだと思います。
 今回の議論の中でも、三百四十兆円、大きなお金が官から民へというお話を伺っておりますけれども、それとはまた別な世界で、要するに地方における郵便局がなくなってしまうんではないかと。これは一種異質な議論でもあるように見えますし、かつ結び付いているところもあると思います。だからこそ、私も前回質問に立たせていただいたときに、なぜ四社完全民営、分離して民営化なのかという質問もさせていただきました。民営化ありきというところでまずスタートしたところもあろうかと思います。
 私はあのとき、部分民営化というお話を竹中大臣にもさせていただきました。やはりやれるところからやっていって、そして不安というものを払拭しながら進めていくのも改革の一つのステップだという思いがありましたので、あのような質問をさせていただいたところであります。そして、この金融、要するに銀行と保険の部門についての民営化についてであります。
 竹中大臣にまずお伺いをしたいんですが、竹中大臣、この郵貯と保険事業の将来像というものをどういうふうに描いていらっしゃるか、これをまずお聞かせいただきたいと思います。すなわち、これからもこの三本の矢でしっかりと地方のネットワークを維持していくという考え方においては、事業の拡大というもの、それから多角化、このどちらに視点が置かれているのか。
 またもう一つは、要するに民業圧迫という中にあって、イコールフッティングの中でこの二つの事業を縮小の方向あるいは廃止していくというふうなことが言われている中で、この今回の移行期間、そういったものを通じて将来像をひとつ語っていただきたいと。
 そして、今、国は貯蓄から投資へというふうなことを言っているわけであります。今回のこの金融部門の改革によって、それがこの貯蓄から投資へという部分と、それから国民の金融のユニバーサルサービスというところがどういうふうに結び付いてくるのか、関連性があるのか、それも含めた上で御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 前回の山下委員の御質問、大変印象深く私も記憶をしております。
 今ちょっと大変難しい三つぐらいの問題をいただいたわけでございますけれども、まずこの将来像をどのように見るかと、大きくなるのか小さくなるのかということに関して申し上げますと、これ、どういう制度設計をしているかと申しますと、郵便貯金銀行と郵便保険会社は移行期当初は公社と同様の業務範囲からスタートをしていただく、そして段階的に業務範囲を拡大をしていく、で、完全民営化後には一般の銀行、生命保険会社と同様の経営の自由度を有すると。その意味で、活動範囲というのは今のから始まってどんどんどんどん大きくなっている、活動範囲は広がっていくというふうにお考えをいただいてよいかと思います。
 その中で、どういうふうに現実になさっていくだろうかということに関してですけれども、郵便貯金銀行は、これは正に郵便局ネットワークを活用して地域密着型の経営をしていくであろうと。で、郵便保険会社は、これまで培ってきました少額保険商品に関するノウハウ、これ大変ノウハウをお持ちなわけですから、これを生かした分野でその経営の基盤を強めていくだろうと、そのように見通しております。
 それが規模にどのようにつながっていくかということをお尋ねかとも思いますけれども、全体の規模については、今実は九〇年代以降金融不安の中で郵貯、簡保に非常に、政府保証のある郵貯、簡保に非常にお金が集まったということもございますし、今既に民間で非常に活発な金融商品の開発が進んでいるということもございますので、骨格経営試算におきましては、移行期間の終了時点での資金規模としては、この郵便貯金銀行については約百四十兆円、郵便保険会社については約七十二兆円程度になると。これ、つまり、バランスシートとしてはある意味で、民間会社になって自らの責任あるALMの下で自然な形でスリム化していくというようなことをイメージをしているわけでございます。業務範囲を段階的に拡大して、バランスシートの規模に依存しないで多様な業務展開を行って収益力を強化していくと、それが一つの私は描かれるイメージであろうかと思います。
 それがしからば投資、貯蓄から投資へというその流れにどのように影響するのかという御質問もあったわけでございますが、あえて二点申し上げるとすれば、これは銀行としては、銀行としては今後いろんな形で活動範囲を広げていくと思いますけれども、今は国債を中心とした安全資産に運用しているわけでございますけれども、今後はABS等の証券化関連商品等、様々な形での信用リスクを取っていくという形が想定されると思います。それは、物によっては投資型の、貯蓄型ではなくて投資型になるわけですので、まず銀行の資産運用を通してそのような効果が現れてくるという面があると思います。
 もう一つ重要なのは、郵便局では、今郵便局では郵貯と簡保を売っているわけでございますけれども、今後その範囲を広げていろんな形の幅広い金融商品を販売していくということになろうかと思います。投信の販売はもう既に予定をされているわけでございますけれども、消費者のニーズに合った商品が非常に消費者にとって身近な郵便局で販売されていく、その幅広い選択肢の中で国民全体の貯蓄投資パターンが正に変わっていく、貯蓄から投資へという流れが出てくるのではないかというふうに思っております。
 最後、ユニバーサルサービスの話もあったわけでございますが、これについては、そのユニバーサルサービスを義務、法律上義務付けないわけでございますけれども、金融行政として、これはしっかりとした安定的な代理店契約、保険募集の委託契約があることをみなし免許の条件にするわけでございます。このみなし免許を出すことによって切れ目なくサービスを提供するということでございますので、法律の義務付けをするわけではないけれども、実態的に今国民にとって大変重要な役割を果たしているその金融のサービスも正に切れ目なく続いていくと、そのような制度設計にしているところでございます。
○山下英利君 言ってみれば、今私が質問した点というのは、言ってみれば利益相反というか、どっちを取ればどっちが取れないという大変難しい問題だと私は思っているんですよ。
 それで、今、竹中大臣からお聞きした大体イメージとしての貯金が百四十兆、それから保険七十二兆と、これ両方合わせると二百十兆円です。これは、メガバンクの総資産量を考えても、メガバンクが二つ、三つ簡単に入る、貯金だけでも二つぐらいは入ってしまうぐらいの本当に大変巨人のような金融機関。だけども、一方では、その金融機関としての体制がどこまで完備できるのかというところが私は大変大事だと思いますし。
 そこで、今大臣がおっしゃっていたのは、地域密着型を考えているというふうにおっしゃいましたけれども、地域密着型でこういうメガバンクが出ていった場合には、今メガバンクというのは、要するに都市型です。それから事業者金融もやっています。それで地域金融機関との間でのバランスが取れていると。ですから、メガバンクの支店は地方には出していないところが多いわけです。ところが、そこへ今度はメガバンク自体が地方にまでネットワークを張り巡らせていくということの影響度というのは大変私は心配をしているところであります。
 したがって、百四十兆円、これで大きい数字です。七十二兆円の保険も大きいです。ですから、本当にこれをいかに地方のいわゆる民業圧迫につながらないように持っていくかというのは大変な難題だと私は思っているんです。ですから、そこのところは私は今回の法案でもまだ不安感はぬぐえていないということは言えると思います。これを金融の再編を促進するためというふうな形ではおっしゃっていただきたくないというふうに思っています。
 そこで、一つ次の質問をさせていただきますと、今大臣御答弁になられましたこのみなし免許でございます。みなし免許によって、結局全国のユニバーサルサービスの実質的な義務付け、法的には制度、そううたいませんけれども、実質的な義務付けをするわけであります。これは、十年間、あるいはそれプラスアルファというような形になろうかとは思いますけれども、そうなった場合に、経営の自由度は制約を受けるわけであります。
 したがって、このみなし免許が実質的な義務を伴っているという今の御説明の間で、その間は本当の真の民営化とは言えないんではないかなと、今度は反対に私はそう思ってしまうんですが、その辺のところはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員いろいろ御懸念いただいていますように、非常に大きくて民業を圧迫するのではないかという懸念と、であるからこそいろんなルールを使って、作って、経過期間、移行期についてはまあいわゆる縛りもあるわけですけれども、そうすると今度はまた逆に、民間機関とのイコールフッティングが図られないのではないか、まあ実は両面からの御心配が常に存在する非常に難しい問題だと思います。
 まあとにかく、答えはもうとにかくそのどっちにもならないように、その狭い道をしっかりと行って、そしてこの巨大な国営機関を市場経済の中にソフトランディングしていただくと、もうそれ以外に方法はないわけでございますけれども、この今、直接御質問のございました安定的な代理店契約、保険募集委託契約に関して言いますと、これは銀行と保険会社、基本的に支店を持たないわけでございます。支店を持たない銀行、保険会社、その窓口業務や保険募集を郵便局に委託するという、そのビジネスモデルであるわけでございますから、これは円滑な業務運営でありますとか健全性を確保する観点から安定的な営業基盤を維持する必要がある。これは言わば決して特別な規制を課しているわけではありませんで、通常の金融行政の考え方にのっとっているというふうに是非御理解を賜りたいと思います。
 これは銀行法上の銀行、保険法上の生命保険としては、これはまあある種当然求められることであろうかと思います。銀行法上、保険法上、その意味ではいろんな商品を、保険の場合はいろんな商品を出すに当たっても、いろんな実態に合わせていろんな制約を課すということに銀行法上も保険業法上もこれはなっているわけでございますので、その意味では、これは店を持っていない銀行でございますので、経営の自由度を過度に制限するというものではこれは決してない。その意味で、イコールフッティングを損なうものではないというふうに思っております。
 仮に、同様のビジネスモデルで申請してきた銀行、生命保険会社に対しては、やはりこれは同様の条件付で免許を与えることになるでありましょうし、金融行政の通常のルールの中でこれは当然にやはり守っていかなければならないという範囲の中でこの条件を付しているということでございます。
○山下英利君 今の点については、その説明というのはもう分かりましたけれども、ただ、これは支店がないということからして、その窓口会社というところへ話が進んでいくわけですけど、じゃ窓口会社、委託契約、そして窓口会社ではほかの金融機関とも委託契約を結んで、そして更に金融サービスを充実させるというふうなお話もあったかと思います。しかし、実質的に地方の金融機関、自分のところで支店持っているところ、ここについては委託契約をするということはまず考えられないんじゃないでしょうか。
 それと同時に、金融サービスというのは、やはりそのサービス内容についての独自性といいますか、やっぱり独自性、やっぱりつくり出すいわゆる付加価値というものを余り知られたくないという部分と、それから、加えて言うならば、窓口会社に委託した場合に、その委託契約の中身というのはどういう形になるのか、これ非常に、後でちょっと御質問させていただきますけど、委託契約というのは、これ、大変重要なポイントだと思っています。全国的なユニバーサルサービスを展開する上でも重要ですけれども、今度はそういった形での業務を展開する場合には、今度はその契約というのは個別の会社同士の利害関係、それをもたらすものでありますから、その委託契約というのがどういう形になるのかということは私も是非後ほどお聞きをしたいなというふうに思っておるところであります。
 次の質問に移らせていただきます。
 これは、民営化の直後から郵貯会社、いわゆる銀行とか保険会社が民間と同じ仕組みでいわゆる税金とかそれから準備金を支払う義務が生じるわけであります。しかし一方では、例えば一千万円の限度額でありますとか種々の制約が残っているわけであります。ここのところが要するにイコールフッティングにならない。移行期間が通り過ぎて完全民営化になればこれはなくなるのか。そして、その辺のところをちょっと御答弁をいただきたいと思います。
 やはり、一千万円というのは、これはペイオフになって一応預金保険でカバーできる金額ということでありますけれども、一般の民有、民間の金融機関でも上限はないわけでありまして、それをあえて付ける、あるいは種々の制約を付けるというところの理由についてお聞かせください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御指摘は、これは例えば民営化すると、その直後からイコールフッティングということで民間と同じ仕組みで税金や預金保険料を払わせるというような義務が生じるではないか。しかし一方で、事業内容はまだ、今私が答弁を申し上げたように制限されているではないか。そのようなバランスを一体どのように図っているのかと。その中で、特に預入限度額、預け入れの限度額についてどのように考えているのかと、そういうことだと承知をしております。
 これは、言うまでもありませんが、イコールフッティングを確保する、イコールフッティングであるからこそ同じように競争して自由に経営していただけるということが実現するわけでございます。しかし、これ昨日までは、二〇〇七年四月一日で見ると、昨日までは国営の機関であったということでありますから、これを民有民営するにはやっぱり時間を掛けて、移行期間を経て時間を掛ける中で段階的にそれをやっていかなければいけないということにもう尽きるのだと思っております。
 例えば、具体的に申し上げますと、この銀行と保険会社に関して言うならば、政府出資による国の信用、関与など、まだ依然として競争上の優位性を持っているということがございます。これは株、民間にまだ売られていない移行期ですね、政府がまだ出資しているというのは、これはやはり競争上の優位性でありましょうということ。そこで、当初は公社と同様の業務範囲からスタートをしていただきましょうと、そういうことになるわけでございます。これは当然のことながら公社、国営の公社からいろいろ引き継いだ資産等々で全体が運用されていくということもありましょうし、一般には認められていない金融の事業とその他の事業が特例的に移行期間は同じ会社の、同じ組織の持ち株会社の下に認められていると、そういうことがありますから、だからこそ、そこを段階的にやっていこうと。
 したがって、そこでの判断というのは大変難しいものに当然なるわけでございますので、だからこそ民営化の、民営化委員会をつくってその専門的、中立的な考え方を確認しながら、具体的に一つ一つの業務制限を外すという作業をやっていこうというふうに考えられているわけでございます。
 この預入限度額でございますけれども、これは民有民営になれば、当然のことながら民間と同じですから預入限度額というのはございません。当初は同じ範囲でということで一千万円から出発して、それで限度額がなくなる。つまり、限度が無限大になるというところに行くわけでございますけれども、これについても、これはその状況を見ながらですね、これ省令ですね、省令ですね、預入限度額、省令だったですね、あっ、政令、失礼。預入限度額に関しては、政令でその状況を見ながら解除をしていこうというふうに考えております。正にこれは経営の自由度とイコールフッティングを両立させるというための移行期間、移行期間を通じた仕組みでございます。
○山下英利君 大臣、そうしますと、銀行の収益というのはどこから生まれてくるかと。これは、要するに預かった預金を運用して、その利ざやというのが非常に大きいわけです。今現状、まあ旧勘定と新勘定は別にしますけれども、そうすると、そうするとこの銀行部門がしっかりと採算を取っていくためにはボリュームを増やさなきゃいけないと。ボリュームを増やす場合に、その限度額があるということはこれは大変な足かせであります。足かせがあるのは、片っ方では、調達のところでは足かせがあるのと同時に、今度は税制、税金の面での支払とかが出てくると。採算は今まで以上に伸ばそうと思ったら、ますますその預金量を増やす、そういった努力をしていく。先ほど申し上げた、その地方の金融機関というのはこれは大変、地域密着型で大変ですねと私が申し上げた理由というのも、これは預金獲得競争に全力を挙げなければ、当面いろんな金融知識のない銀行が食べていくためには当然取らなきゃいけない道だというふうになってくると思いますよ。
 ですから、そこのところを考えて、この預入限度額、税制面等、税制面についてはいろんな方からも御質問ありましたけれども、この預入限度額をやっぱりどう調整していくかというのは正に当面の郵貯銀行の死活問題だと、私はそのように理解しています。
 そしてもう一つ、これからの郵貯、保険の民営、完全売却ということに向かっての考え方なんですけれども、私、この間もちょっと申し上げました、金融コングロマリット化が進んでいる金融市場でどうやってこれからしっかりとこの銀行がやっていけるのかと。先ほど、一番最初に私、将来像をお聞きしたのも、今度のいわゆる旧勘定を除いた新勘定のところでもっていかに金融市場でしっかりとした仕事をやっていくかということにおいては、要するに、郵貯と保険のそれぞれの売却というのは本当にいいのかどうかという考え方も持っているところであります。いわゆる移行期間の間にどうやってこの会社が本格的な証券業へ進む準備をしていくのかと。本当に経営陣、大変だと思います。
 また、この移行期間中は、証券業務にどうやって出ていくのかというのは、証券業務に出ていかないと、いわゆる銀行の場合には、先ほど申し上げたようなとにかく資産の競争といいますか、預金、預金でどんどんボリュームを膨らませていかなければ収益は取れない、やはり手数料でどうやって稼ぐかと。これは地域密着型というよりも、むしろそうなってくると、いわゆるホールセール型という部分の強化というのを図っていかないと、この銀行会社はいわゆる総合金融として採算が乗ってこないんじゃないかと。正に経営者はそういうところでもって大変な御苦労をされるんじゃないかなと私は思っております。
 また、そういったときに、金融市場に対応したいわゆる株式売却の戦略、これをだれがどこで考えるのかというようなところも私にとっては非常に注目していかなければいけないところだと思います。
 実際には、郵政民営化委員会という形でのこれからの戦略となっておりますけれども、これに、金融市場に対してどれだけの知識を持ち、かつ感度を持っている方がこの委員として入っていただくかによって、これからの将来のこの銀行、保険の部門の行く末決まってくるんじゃないかなと思うんですよ。ですから、ここでの人選というのは大変大事だと私は思っています。どういう形でその人選を担保していくのか、これについても御答弁をいただきたいと思います。
 それから、じゃ、そこでちょっといったん止めます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 株の売却戦略、民営化委員会の役割でございますが、一点だけ、ちょっと先ほどのお話の中で、郵貯、簡保がボリューム競争に走るのではないかという御懸念あったわけでございますが、民間の会社ですから、運用できる自信があればお金を集めなさいと、運用できる自信がないなら預金を集めてはいけません。これは正にALMの基本なんだと思います。むしろボリュームではなくて、ボリュームはもう現実に減っているわけでありますので、だからこそ、きちっと利ざやが稼げるようなビジネスに進出する自由を持っていただきたい、それが実は今回の制度設計の重要な考え方になっております。
 その上で、株の売却処分について戦略はだれが考えるのかという御質問が第一だったと思いますが、郵政民営化株式会社の、つまり持ち株会社の株式は政府が保有することとなります。これは、三分の二は国債整理基金特別会計、三分の一は一般会計でございますけれども、保有することになりますので、政府が株式の処分に関するスケジュール等を戦略的に考えるということにこれは相なるわけでございます。また、郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式ですけれども、これは日本郵政株式会社、持ち株会社が保有することになりますので、日本郵政株式会社が株式処分に関するスケジュール等の戦略というのを考えていくということになります。
 当然のことながら、これはもう、もう委員がお示しをくださいましたですけれども、株式処分の時期につきましては、これは日本郵政会社の経営者において、そして郵政民営化委員会による進捗状況についての見直しでありますとか、主務大臣の監督を受けながら、これは十年間で段階的に完全処分を念頭に置いて株式の処分に関するスケジュール管理を行う。その意味で、民営化委員会の進捗状況についてのチェック、レビューが絡んでまいりますので、民営化委員会の役割が重要だという点も、これはもう委員御指摘のとおりでございます。
 その人選をどのように行っていくかということでございますけれども、郵政民営化委員会、これ、組織はこれは五名をもって組織するわけでございますけれども、委員は優れた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命をする、これは正に専門性、中立性、その点が重要でございますので、これ主務大臣がいろんな決定をするに当たりまして、その項目を決めて、そして民営化委員会の意見を聞かなければならないこと等々を法律で定めておりまして、そのような形で、正に民営化委員会を構成するにふさわしい見識を持った、そして中立性と専門性を持った方々を選んでいくということになります。
○山下英利君 そういうことだと、そういう御説明については私も資料を拝見して存じ上げておりましたけども、やはりこの民営化委員会の委員が本当にその市場を見ながら、そしてこれからの金融のユニバーサルサービスをしっかりと担っていけるような、しっかりとした金融グループという観点でタイミングとそれから分割、分割というか、売却のやり方を決めていただかないと、これは本当に、そこでせっかくこの法案を作ってスタートしたところが、もう本当に無に帰してしまうというか、それをやったことによって、この法案をやったことによって毀損、今まで築き上げてきた資産が毀損してしまうということになる可能性はあると思いますので、その辺をしっかりと担保できるような形に是非していただきたいなと、そのように思います。
 そして、もう私も時間が大分少なくなってきましたけども、これは大臣には質問はいたしませんけれども、今回のその新しい四分社化後の各社のいわゆる骨格試算等も拝見いたしました。
 ただ、私自身は、これから移行期間数年間、この新しい会社がどのような形で回っていくのかという点をとらえてみた場合に、キャッシュフローも試算として是非とも付けていただきたかったなと思います。キャッシュフローが付いていないんですよ。ですから、ストックで見た場合とキャッシュフローで見た場合というのは、やはりそこの会社自体がどういう動きをするのかというのは見方また変わってくるわけです。ですから、これは私から、質問じゃなくて意見として申し上げておきたいと、そのように思います。
 最後に、私は、先ほどもちょっと申し上げた委託契約の問題についてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
 国民の生活のセーフティーネット的な位置付けを考えますと、この郵貯銀行それから保険会社、これとの委託契約というのは大変重要なポイントだと思っております。しかし一方では、民営化した会社と会社同士の委託契約でありますから、例えば手数料の問題あるいは期間の問題、これは相互に利益相反する内容とならざるを得ないと思います。
 したがって、私、例えば銀行の問題について取り上げさせていただきますと、いわゆる金融、保険も含めてですが、金融、保険の商品についての説明責任というものをこの委託契約の中にどうやって盛り込んでいくのかということについてもお聞かせをいただきたいと思います。委託契約上、リスクはそれぞれの会社に帰属するというふうな形になっておりますけども、窓口でのセールスでどこまでの責任を負わされるのかということは、その委託の手数料あるいはその窓口の知識の必要性、これにも絡んでくるというふうに思います。
 現状、金融担当大臣、簡単に御説明をいただきたいと思いますけども、いわゆる金融の面における説明責任を含めたいわゆる販売等に関する法律というのがあると思いますが、そこでのいわゆる説明義務というのはどういう形になっておりますでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをいたします。
 銀行や保険会社の代理店が顧客に対し預金契約や保険契約の締結の代理又は媒介を行う場合には、今先生から少し御紹介がございましたが、金融商品の販売等に関する法律により、その商品のリスク等に係る重要事項を顧客に説明する義務が課されているところでございます。したがいまして、郵便局株式会社についても同法が適用されることになります。
 また、銀行法そして保険業法におきましても、代理店につきましては重要事項について説明義務が課されているところでございます。
○山下英利君 従来は、これは適用除外の規定だったんですね。これが今回、削除になるわけです。
 したがって、先ほど大臣、御答弁ありましたけれども、いろんな金融商品がという中にあって、もちろん銀行会社、保険会社、これは専門性を高める、これが必要ですし、またいろんな金融商品を作り出して、そして顧客のニーズにこたえていかなきゃいけないと、そういう部分はありますけれども、今度は、じゃ窓口会社における委託の中でその商品を扱う場合の、今、金融担当大臣がおっしゃったような新しい責任が追加されてくるわけであります。
 したがって、先ほど申し上げたように、委託契約の中の手数料というのは、窓口会社がそれだけのリスクを負うということに十分見合った手数料にしなけりゃいけない。これは反対には、銀行会社、保険会社にしてみれば、今度はそれの負担ができるだけ少ない方がいいというところがあります。したがって、この委託契約というのは大変大事だというふうに私は問題意識を持っております。この点について、竹中大臣の御答弁お願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御指摘は、今まで扱ってこなかったような金融商品を扱うような場合には新たな責任が言わば発生するであろうと。もちろん、これまでも行為そのものについてはいろんな行為規制があって、それを郵政の方々しっかりと守ってきておられるわけでございますけれども、その新たな責任というのは、言わば新たな付加価値でございましょうから、そういう付加価値の高い仕事をなさるに当たっては、そういったものが料金、委託料の中にしっかりと織り込まれて、そういう契約になっていなければいけないということだと思っております。
 この点は正に今、骨格経営試算をするに当たりましても、だからこそ、いわゆる民間準拠によっていろんな形の委託手数料等々を計算をしているつもりでございます。民間においてはそういう責任を果たしながら、その付加価値に見合ったものが手数料として支払われている。それが市場の需給関係の中で今成立しているわけでございましょうから、そういうものを参考にして骨格経営試算等々を行っているつもりでございますけれども、委員の御指摘は、委託契約の中でそういうものがしっかりと実現されなければならないだろうという御指摘だと思いますので、そこはもうそのとおりだと思います。
 この委託契約については、承継契約の一部として主務大臣がしっかりと見るということも法律で決めておりますので、委員の御指摘も踏まえて、政府としては、この法律が実現すればでございますが、そのとおりしっかりと対応してまいります。
○山下英利君 どうぞよろしくお願いいたします。
 それが今後の事業のしっかりとした支えになるということを私も指摘をさせていただきたいと思います。もちろん、そういう御認識がおありになると思いますけれども、そしてまた、そこにそれがしっかりしてこそ金融における、金融における民営化に対する不安の担保にもなる、そういった部分であります。
 それで、もう一つ私からお聞きをしたいのは、少なくともこの三事業を窓口会社で公平にさばいていく、そういった状況が必要となってくるわけです。言ってみれば、委託の手数料がいいやつを重点的にやるとか、民営化の会社ですから、採算を考えるとどうしてもそういう形にならざるを得ないと思います。ですから、もちろん郵便事業だけじゃなくて、この金融においても、保険と金融、銀行ですね、これの委託商品についてのそれぞれのバランスをどうやって取るのかと。要するに、それぞれの会社が窓口会社に対してインセンティブを付けて、そしてやはり拡販を委託するという形になったときのバランスをどうやって付けていくのか、そこのところをちょっと具体的にお話を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の委員の御心配というか御懸念は、いろんな商品を売るようになった場合ですね、それは郵便貯金銀行からの商品もありますでしょうし、将来的にはほかのものもあるかもしれない、そういうものがきっちりと、何といいますか、ウエートを過重に偏った形になることなくきっちりと販売されるんだろうかと、そういう御懸念だと思います。
 これは当然のことながら、金融商品販売法等々、しっかりとした説明責任を果たさなければなりません。一方のもののいいところだけ説明して、片っ方の商品の悪いところだけ説明するということは、これはあってはならないわけで、その法の枠組みというのは存在をしているわけでございます。そこは、したがってコンプライアンスの問題といいますか、その金融商品販売法等々の、しっかりと守っていただくということになろうかと思います。
 もう一つは、やはりお互い長期の関係で相互依存関係が成り立っているということだと思います。短期的にある会社がある商品の販売攻勢を掛けるということは、これは民間でもあり得るわけでございますけれども、実際にはやはりより長期的に安定的な信頼関係、さらには顧客との信頼関係を基に事業が行われますので、その点は正に経営の、これは経営者がしっかりしなければいけないという面もございますが、問題が生じないように是非やっていただかなければいけないと思います。
 もう一つ、移行期間に関しましては、これはいわゆるヘッドクオーター機能を持つ持ち株会社も存在をいたしますので、委員が先ほど利益相反という言葉を少し使ったかもしれませんが、そういう問題が生じないようにいろんな調整もなされていくというふうに思っております。
○山下英利君 時間が参りましたので、これで終わります。
 ありがとうございました。





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