議 事 録


■第162回国会 参議院財政金融委員会 (平成17年6月9日)


○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。座ったままで失礼をいたします。
 本日は、三名の参考人の皆さん、この財政金融委員会、お越しをいただきましてありがとうございました。そしてまた、事前の予定と変わって午後になったということに対しまして、御協力に対して改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 本日の参考人の皆様方からは意見陳述なしで御質問という形になっておりますので、三人の皆様からそれぞれの立場からの御発言をいただきたいなと思っていることが私はございます。
 なお、本日は午前中に会社法の合同審査というのを我々やりました。今、会社法の改正というのが議案としてかかっております。そして、さらに、この当委員会でもこれから証券取引法の一部改正という形で、正に資本市場をめぐる法制度、これの改正ということがどんどんと進んでいくと。そういう中にあって、それぞれのお立場でどのように市場に対して対応されていくのかということについて私はお聞きしたいと思います。
 まず、よく言われることであります、特に今年、ライブドア、フジテレビの買収劇のときに盛んに言われていた言葉の中に、会社というのはだれのものなんだという言葉がよく出てまいりました。もちろん、法制度上はそういった規定はございます。しかしながら、本当に、現場にいて、会社とはだれのものか、それを考えながらどこに軸足を置いていくのかということは、それぞれの役割分担を果たす上で大変重要なことではないかなと、私はそのように考えております。
 例えば、株主のものである、あるいは従業員のものだ、あるいは債権者のものだというようなことで、いろいろ言われている中で、三人の参考人の皆様方それぞれが、会社というのはだれのものだというふうなところ、お考えとともに、そしてそれぞれの仕事の中で、その考えに基づいて仕事というものをどのように位置付けられているか、それについてお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(浅尾慶一郎君) じゃ、それぞれお答え願いたいと思いますが、斉藤参考人からお願いいたします。
○参考人(斉藤惇君) それでは、私なりの機構の仕事を通した立場から意見として述べさせていただきたいと思います。
 先生まさしく御指摘のとおり、ステークホルダー四グループ、経営者、従業員、そして債権者、そして株主というふうな構成で会社というのはできていると思います。機構の場合、当然旧株主に対しましては大幅減資あるいは一〇〇%の減資というふうな形で責任を問う。つまり、会社は株主のものであるということをある程度認知した上でのオペレーションをやっております。法的にもそれは否めないことだとは思います。
 ただ、では株主だけのものであるかというふうな問題になると、株主も二種類あると思います。一つは、非常に増資、あるいは企業のスタート時点から株を持たれる長期的な本当の投資家といいますか、オーナー的な投資家、アメリカでいえばバフェットさんとか、そういうのが一応話題になっているかと思います。ただ、一方では、非常に短期的に持ってマネープレーをする投資家、これも投資家であります。市場で株を買って一か月後には売るというのも投資家である。
 これが全く同じ位置付けであるかというと、私は経験的には非常に疑問を持っておりますし、先生御案内のとおり、一九九〇年代、アメリカが経済回復いたしました一番の大きなポイントは、公的年金、カリフォルニアや、あるいは大学の先生あるいは普通の先生方の年金がリスク資本を投入したと。彼らがいわゆる企業のオーナーシップを発揮して、モニターを厳しくして、結果的には自分たちの年金運用のリターンを上げたということで、会社もきれいになったし、厳しい試練を受けたし、それから年金の方もそれを通してハイリターンを得たというような、これがアメリカの二〇〇〇年に至る発展の大原動力になっているわけでありまして、そういう意味では、短期売買者については私は必ずしもこの方々の会社はものであるというのはいかがなものかというふうにも思います。
 ただ、一つだけ最後に申しますと、じゃ、といって、持ち合いに戻るということ、これはやはり異常な事態であって、甘えの構造に戻るだけでありますので、株式の同業者間の持ち合いですとか、それだけはやはり避けなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
○参考人(鶴島琢夫君) 初めに先生から御指摘のありましたように、法律の建前、商法の今の枠組みからいえば、確かに株式会社は株主のものであると言わざるを得ないかと思います。しかしながら、現実の会社というのは株主だけで成り立っているわけではございません。言われますように、従業員、顧客その他、多くのステークホルダーとのかかわりを持ちながら、かつ社会的な役割、責任というものを果たしながら行動しているのが会社だというふうに思います。したがいまして、そういう意味で、単に法律的に株主のものであるという視点からだけで見るのはやや狭過ぎるのではないかと思います。
 私ども証券取引所として、会社、特に上場会社とのかかわりで申しますと、従来、今も御指摘のありました持ち合い構造というものを前提として、ややもすれば株主に対して重点が置かれない経営が行われていた。この株主というのは広く一般株主というふうにとらえていただいて結構ですけれども、そういう意味から、私どもは上場会社に対して常に株主に顔を向けた経営政策なり収益還元政策を取ってほしいということを言い続けてまいりました。これは、軽視をされているがゆえにもう少し目を向けてほしいという意味でいろいろなメッセージを発してきたということでございます。
○山下英利君 ありがとうございます。
 今お聞きしておりますと、やはり単に株主だけというところから、実態面においては会社というのはだれのものでもないという部分が浮かび上がってくるのではないかなと、そういうふうに思っています。ということは、一番大事なことは、その会社というものがやはりそれぞれの利害関係者から客観的にきちんと理解される、いわゆる透明性が担保されるということが大変大事なことではないかなというふうに私は思っております。
 その中で、やはり最近法改正が進む中では、やはり資本市場を活性化させるためにディスクロージャー、これを進めていく。そして同時に、監視体制も強化していく。ディスクロージャーを進めていく中においてはルールの厳格な運用と同時にコーポレートガバナンス、いわゆる企業統治、これの在り方についても大いに議論をされているわけであります。
 そこで、鶴島社長にお聞きをしたいんですけれども、株式会社である東京証券取引所、これの上場というふうなこともいろいろ新聞等で言われているわけですけれども、そういったときに、株式会社である証券所がルールを作って、しかも今度は監視の方へ力を入れていくと。もちろん、取引所としては広く会員をやはり集めていかなければいけない。ここにおいて利益の相反があるんではないかというようなことを言われておりますけれども、この辺についてのお考え、どうですか。
○山下英利君 ありがとうございます。
 今お聞きしておりますと、やはり単に株主だけというところから、実態面においては会社というのはだれのものでもないという部分が浮かび上がってくるのではないかなと、そういうふうに思っています。ということは、一番大事なことは、その会社というものがやはりそれぞれの利害関係者から客観的にきちんと理解される、いわゆる透明性が担保されるということが大変大事なことではないかなというふうに私は思っております。
 その中で、やはり最近法改正が進む中では、やはり資本市場を活性化させるためにディスクロージャー、これを進めていく。そして同時に、監視体制も強化していく。ディスクロージャーを進めていく中においてはルールの厳格な運用と同時にコーポレートガバナンス、いわゆる企業統治、これの在り方についても大いに議論をされているわけであります。
 そこで、鶴島社長にお聞きをしたいんですけれども、株式会社である東京証券取引所、これの上場というふうなこともいろいろ新聞等で言われているわけですけれども、そういったときに、株式会社である証券所がルールを作って、しかも今度は監視の方へ力を入れていくと。もちろん、取引所としては広く会員をやはり集めていかなければいけない。ここにおいて利益の相反があるんではないかというようなことを言われておりますけれども、この辺についてのお考え、どうですか。
○参考人(鶴島琢夫君) 東京証券取引所というか、証券取引所は、先生方御承知のように、証取法上に、内閣総理大臣の免許を受けて、そして成立をする会社でございます。その免許の条件として、いろいろな公共的な役割というものが法律上も埋め込まれております。証取法上は定款あるいは業務規程、こういうものを定めて、そして基本的な目的として証券市場の公正な運営、公益及び投資者保護に資する、こうした運営をしなければならないという目的が定められております。その上に立って、もろもろの制度の制定、そしてそれの運用、そしてそれのチェック、あるいは違反をすればそれに対する処分等々がきちんと行うことが義務付けられております。
 したがって、株式会社組織ではありますけれども、公共財としての証券市場を運営する上で必要な枠組みというのは法的にも整えられておりますし、それから発行会社との関係でいいますと、上場契約ということで取引所と上場会社が契約関係に立って上場をするということになっておりまして、その契約書の中で法令を遵守する、取引所の規則を遵守すると。そこで定められている違反行為に対しては罰則を受けることもその契約書の中できちんとうたっております。それから、取引参加者も同じように、昔は会員組織でしたから会員との関係は契約関係ではございませんでしたけれども、今は取引参加者ということで、参加者との関係もそうした契約の中できちんと縛りが入っております。
 したがって、逆に言えば、私どもは、そうした法律に基づく与えられた権限を、いわゆる自主規制機能ですね、これをしっかりと果たしていくことによって公正な市場の運営ができる、またそれをやらなければならないと。したがって、今の御質問ですが、株式会社ではあっても十分そうした機能を果たしていけると私どもは認識をしております。
○山下英利君 もう時間が来てしまったんで、本当に私の質問これで終わらなきゃいけないんですけれども、最後になりますけれども、株式会社といっても、そこで上場という形になるとまたこれ責任も変わってくると。それから、手数料をもらう場合におけるその手数料というのはだれからもらっているのかというところでの線引きが非常に大事になってくると思いますので、その話についてはまた機会があったときにお伺いをさせていただきたいと思いますんで、今日はどうもありがとうございました。
 これで私は終わります。





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