議 事 録


■第162回国会 参議院決算委員会 (平成17年4月4日)


○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、金融庁、総務省、公営企業金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

〈一部省略〉

○山下英利君 自由民主党の山下でございます。森元委員に引き続きまして質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 私は、金融庁を中心とした今の金融システム、それと企業再生ということについて御質問させていただきたいと思います。
 年度が替わりまして、四月一日の新聞等にはペイオフが解禁ということが大々的に発表されたというところでありますけれども、まず私は、金融庁、担当大臣にお聞きをしたいのは、これ、今の金融再生プログラム、二〇〇二年から始まりまして、そして、これは専ら金融機関の不良債権の比率、これを下げると、不良債権処理というのがもうメーンになったと、そのように理解をしております。予定どおり不良債権比率も下がってきたと。しかし、この間に、平成十五年の六月にはりそなホールディングスに対して公的資金、あるいは十一月には足銀を国有化する等いたしまして公的資金を注入してきております。
 まず事務方の方にお聞きをしたいんですが、この公的資金の注入状況、これについて御説明いただきたいと思います。簡潔にお願いします。
○政府参考人(佐藤隆文君) 金融システムの安定のために使われました、投入されました公的資金でございますが、四種類ぐらい大きく分けられるかと思います。
 一つは、破綻金融機関の処理の際に預金者保護のために行われました金銭の贈与でございますが、これが、これまで預金保険機構が行ってまいりました資金援助、十六年三月末までの数字でございますけれども、十八兆六千百六十二億円ということでございます。それから二つ目でございますけれども、金融機関から不良資産等を買い取るという作業がございます。こちらのジャンルでは合わせてこれまでに、十六年三月末まででございますけれども、九兆六千四百八十三億円という数字になってございます。それから三つ目でございますけれども、資本増強あるいは資本注入と呼ばれておりますけれども、金融機関の自己資本の増強のために注入されました資金でございますが、これの累計がやはり十六年三月末までで十二兆三千八百六十九億円ということになっております。最後に、その他といたしまして六兆一千五百三十九億円が投下されております。
○山下英利君 大変な金額の国費が投入されているわけであります。この中には、金融機関が返済を一部したもの、あるいはもう回収が不能になったものというものも含まれていると思います。
 大臣にお伺いしたいのは、これだけの多額の公的資金を注入して、この三年間、金融再生プログラム、これが進められてきたことに対しての評価をお聞きをしたいと思います。
 そして、これは一応金融改革プログラムという形で新しい段階に入っていく中で、今後この公的資金の追加の注入がまた更にあるのかというようなことも大いに懸念するところでありますので、その辺を踏まえて御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 日本経済を再生していくための大きな足かせとなっておりました不良債権問題を十七年三月期までに解決をしていく、そして構造改革を支えるより強固な金融システムを構築をしていくために、金融再生プログラムに基づいて、主要行の資産査定の厳格化、自己資本の充実、ガバナンスの強化等の諸施策を強力に推進してきたところであります。
 金融再生プログラムの達成状況や評価についての総括は、十七年三月期における主要行の不良債権比率等が明らかになった段階で行っていきたいと考えておりますが、現時点におきましては、同プログラムに基づく各種の取組を行った結果、主要行の不良債権比率が十六年九月期においては四・七%に低下するなど、十七年三月期までの半減目標の達成に向けて順調に低下をしており、目標達成が視野に入っていると認識をいたしているところでございます。
 また、我が国金融システムをめぐる局面は、不良債権問題への緊急対応から脱却をして、将来の望ましい金融システムを目指す未来志向の局面に転換しつつあると考えておりまして、こうした観点から、昨年の十二月に金融改革プログラムを取りまとめ、金融行政が今後二年間の重点強化期間に実行すべき改革の道筋を示したところであります。
 この金融改革プログラムの諸施策を実施することによって、利用者の満足度が高く、そして国際的にも高い評価が得られ、地域経済にも貢献できるような金融システムを、官の主導ではなくて民の力で実現をしていきたいと考えております。
○山下英利君 この三年間で銀行も随分体力を疲弊させております。これからの新しい改革プログラムでそれを復活させるだけの体力が銀行にあるかどうか、この辺じっくりと見ていかなければいけないと、私はそのように思っているところであります。
 しかしながら、一方ではこの三年間、この金融再生プログラム実施の間に、金融機関といいますか銀行の顧客に対する対応というのも様変わりをしたというふうに聞いております。また一方では、今度は企業も銀行に対する対応といいますか銀行観というものが様変わりをしたと。全くそういった面においては従来の取引慣行自体が崩れて新しい銀行との取引というふうに衣替えをしていっている、そんな状況ではないかなと、そういうふうに思っているところであります。
 一方、そういった中で、この四月一日、新聞等を見ますと、早速危ない銀行何十社というふうな報道がされるわけであります。大体、見ますと、繰延税金資産が上位だとか、そういったことで、自己資本比率が低いところからとか、そういう形の報道がされるということに対して、やはりそれ見た一般の国民は、これから自己責任とはいいながら、そのペイオフというものに対する非常に不安感、これはあるのではないかなと、そのように思いますけれども、これはペイオフ解禁に対して金融機関の対応状況等、これ金融庁の方でどういうふうにお感じになっていらっしゃるか、お聞かせください。
○国務大臣(伊藤達也君) ペイオフ解禁拡大は、もう委員御承知のとおり、市場規律の下で預金者の選択というものを前提にして金融機関がより一層緊張感を持って経営基盤というものを強化をしていく、そうした取組が金融システム全体の安定性というものを確保していく、こうした観点からもペイオフを予定どおり四月一日に実施をさせていただいたところでございますし、また主要行や中小地域金融機関においても、このペイオフ解禁拡大に向けての諸準備、こうしたものを取り組んできたと承知をいたしているところでございます。
 ペイオフ解禁拡大に向けて、先ほどもお話をさしていただいたように、主要行においては、金融再生プログラムに基づいた諸施策というものを展開をし、そして不良債権比率は着実に低下をしてまいりました。また、中小地域金融機関においては、リレーションシップバンキングに関するアクションプログラムに基づく諸施策というものを展開をして、そして中小企業の再生と地域経済の活性化に取り組み、同時に不良債権問題を解決をしていく、そのために様々な取組を行ってまいりました。そして、不良債権比率は低下のトレンドにあるというふうに考えているところでございます。また、一般的に預金業務を行っている金融機関の九七・六%が既に決済用預金を導入済みでありますし、名寄せデータ整備に関しても金融機関の準備は着実に進展しているものと承知をいたしているところでございます。
 金融庁といたしましては、今後とも、個々の金融機関の健全性の問題が深刻する前の段階で早めの対応を行っていくなど、日常の検査・監督を通じた金融機関の健全性確保に向けた働き掛けを行うとともに、万が一金融機関が破綻した場合には迅速な対応ができるよう、名寄せデータの精度の維持向上を図るため、今後とも厳正な検査監督を行っていくことが重要であると考えております。
○山下英利君 今の大臣の御答弁、先ほどの私の質問で、やはり大臣のお立場でなかなか言いにくいんじゃないかなと思いますけれども、公的資金の追加注入はあるのかということに対してはなかなか御発言が難しいかなと思いますけれども、このペイオフを解禁して、それで、これから改革プログラムで金融システムが安定してきたという中にあっては、もう追加的な国費の投入、これはもうないよというぐらい言い切れないと、やっぱり本来の意味での金融システムの再生というものはまだ道半ばではないかなと私は思っております。
 そして、ちょっと今、検査という御答弁がありました。その検査というのも、今までは不良債権処理のいわゆるクレジット、信用の検査というのが中心であったかと思います。この四月の一日からは個人情報保護法の施行ということで、やはりこれから個人情報、非常にその管理というものに対しても検査機能を強めていかなければいけない。これは検査機能をこれから強めていくんじゃなくて、今までもそういった形での検査というのは行われていたのかどうかということなんであります。
 実を言うと、みずほ銀行で三月に大量の個人情報、これが紛失したというか、そういった話が流れてきました。また一方では、これは金融庁としてもディスクの紛失というような話もありましたし、個人情報が大量に蓄積する金融、その中の管理システム、これは非常に、これ法律も施行されましたし、これから大事だと思いますけれども、検査体制というのはどういう形になっておりますか。
○政府参考人(西原政雄君) お答え申し上げます。
 金融機関に対する個人情報保護の関係でのお尋ねでございます。
 この点に関しましては、私どもかねてから非常に重要な検査項目だと思っておりまして、私どもは、毎年、検査事務年度ごとに検査の基本方針というのを定めるわけですが、これは昨年の七月にこの検査の基本方針をいうのを定めてございますが、その検査重点事項、この一つに「金融機関の利用者保護の確保、利用者利便の向上に向けた対応」と、こういう項目を設けてございまして、その筆頭に「顧客情報管理態勢の検証」と、こういうものを挙げてございます。
 これを読み上げさせていただきますと、金融機関の営業部店において顧客情報の漏えい・流出が頻発していることにかんがみ、顧客情報の漏えい・流出等を防止するための管理態勢、顧客情報の不正アクセス防止等システム上の安全措置の実施状況を含むと、これらを重点的に検証するというのを重点項目に挙げてございます。これらの検証に当たりましては、平成十七年四月から全面施行される個人情報保護に関する法律、これを十分踏まえることとするということで、今年の検査の重点項目の一つに挙げさせていただいております。
 こういった観点から、従来よりこの検査におきまして、個人の顧客のみならず法人顧客も含めまして顧客の情報管理の観点から、検査マニュアルあるいはガイドライン、こういったことに沿って事務リスク管理態勢あるいはシステムリスク管理態勢、こういったところの検証を現在行っているところでございます。
 今後とも、今回の法施行に伴いまして、そういうことを踏まえ、また新しく金融分野における個人情報保護に関するガイドライン、こういったものもできましたので、これらを十分踏まえまして厳正に検証してまいりたいと、このように思っております。
○山下英利君 そういった意味においては、従来から非常に力を入れて検査をされてきたという今お話ではありますけれども、引き続き、そういった大量の個人情報流出ということがやはり紙面をにぎわすような状況というのは、これは個人の顧客にしてみれば非常に金融機関に対する信頼感というのは薄らぐといいますか、まあ言ってみれば、先ほど申し上げたように、銀行に対する見方も変わってきたというものを正に助長するだけのことになると思いますので、この辺はしっかりと見ていかなければいけない、またそのためには人も張り付けなければいけない。決算の観点からいいますと、これからの検査体制における人の張り付け、人的な体制というものをしっかりと機能的に、そして十分な対応をしていかなければいけないと私は思っておりますけれども、金融担当大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊藤達也君) 重要な御指摘をいただいたところでございまして、私どもとしては、やはり銀行の業務の健全性あるいは適切性を確保していくために検査というものは非常に重要であります。
 そのために必要な人員というものを大変厳しい定員状況の中で確保をさせていただいているわけでありますので、こうした人員というものを最大限活用して、そして金融行政の使命というものをしっかり担って金融行政というものが展開できるように行っていかなければいけないというふうに思っております。
○山下英利君 ありがとうございました。
 情報管理に関する検査というところはちょっと外しまして、再びその不良債権等の処理ということに関して御質問をさせていただきたいと思いますけれども、地域の金融機関の不良債権の比率、これも伺っておるところでありますけれども、これは都銀に比べて高い比率にとどまっているというようなことが伝え聞いているわけであります。
 この点に関しまして、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムの進捗状況と、あわせて、先ほどちょっと大臣から触れていただきましたけれども、これからの地域の金融機関の不良債権の比率、これをどう見るのか、また金融庁として不良債権比率、どの水準が適当と考えているのか、この辺を踏まえてちょっと御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤隆文君) 地域金融機関の不良債権の処理状況について、まず御報告申し上げます。
 地域金融機関につきましては、これまでリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づきまして、この平成十五、十六年度の集中改善期間におきまして中小企業の再生と地域経済の活性化を図るということの中で、それと同時に不良債権問題の解決を目指すと、こういう考え方で進めてきたところでございました。
 直近にございますデータとして平成十六年九月期の決算があるわけでございますが、そのうち地域銀行の不良債権残高見てみますと、金額にいたしまして十一・六兆円、不良債権比率では六・三%ということになっておりますが、これを一年前と比べますと、十五年九月期は金額で十三・九兆円、比率で七・五%ということでございましたので、ある程度明確な低下を示しているということが言えようかと思います。
 また、信用金庫、信用組合の方の不良債権残高でございますけれども、これも、これは年一回の決算でございますけれども、直近は十六年三月期ということになりますが、金額で七・八兆円、比率にいたしまして一〇・六%ということになってございますが、一年前の十五年三月期と比べますと、八・九兆円、比率で一二・〇%ということでございましたので、これも明らかな低下のトレンドの上に乗っかっているというふうに思っております。
 全体として見ますと、地域金融機関の不良債権処理、良い方向の方へ着実に向かっているというふうに認識をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても、まだまだ正常化に向けてより早め早めの経営改善に取り組んでいっていただく必要があるだろうということで、そういった問題意識を持って私どもとしてもフォローアップをしていきたいというふうに思っております。
○山下英利君 不良債権処理が進んで不良債権の比率が下がる、これは再生プログラムとしては喜ばしいことという反面、言ってみればその分だけ本当に多数の取引先企業が転業ないしは廃業、そして倒産という死屍累々の状況を積み重ねてきたわけであります。
 今の現状をお聞きしたわけですけれども、どんどん低下していますよと。低下しているということは、これまで集中期間の間に行った検査、その基準をこのままずっと保って不良債権処理を金融機関に対して要請していくのか、それとも、ある程度の不良債権の比率というものを是認して、そして金融機関の裁量に任せる部分を広げていくのか、その辺のところはどうですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほど少しお答えし漏れた部分がございました。リレーションシップバンキングの進捗状況ということでございます。
 不良債権処理につきましては、その再生不可能な部分を切り離すという側面もございますけれども、私ども、より重点的に考えておりますのは、再生可能性の残っている企業、あるいは同じ企業の中でも再生可能な可能性を有している事業の部分、その部分をできるだけ生かしていくということでございまして、この部分は正にリレーションシップバンキングの基本的な考え方であるわけでございます。
 そして、リレーションシップバンキングのその効果といたしまして、できるだけその融資先企業との密度の高いコミュニケーションをやり、そこの企業の価値をできるだけ正確に評価をした上で支えることができるものについては支えていく、金融機関からすればリスクを取っていく、そういう中で企業再生に最大限努めていくという取組が重要ではないかと思っております。
 で、そのうちの一つの指標でございますけれども、地域銀行がこれまで融資先企業の経営改善支援によって支援を行った債務者というのがあるわけでございますけれども、そのうち約二割、数にいたしまして七千三百先でございますけれども、ここにおきまして業況が改善をしている。より具体的には、金融機関の側で持っております債務者区分が上昇しているといったことがございます。不良債権処理がこういうその企業再生、事業の再生ということと一体となって進んでいくということが理想的な姿ではないかというふうに思っております。
○山下英利君 そうなんですね。不良債権処理、これと企業の再生ということが、これは裏表密接不可分だということ、正に今の御報告でお聞きをしたとおりなんであります。
 ようやく、景気まだまだ踊り場と言われておりますけれども緩やかながら回復基調にあるという状況ではありますけれども、地域それから業種によってまだまだ大変な格差がある。そういった環境において、中小企業の実質的な資金需要、この資金需要の状況と、それから金融機関が本当にリスクを取って中小企業に貸出しをするといった資金供給状況というのはこれはどうですか、改善されてきておりますか。
○大臣政務官(西銘順志郎君) お答えをさせていただきたいと思っております。
 金融庁といたしましては、日本企業の大宗を中小企業が占める、我が国経済の基盤を支えているという重要性にかんがみまして、健全な中小企業に対しまして資金が円滑に供給されるよう、これまで金融機関へ繰り返し要請をしてきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、平成十四年十月の金融再生プログラムにおいて中小企業貸出しに対する十分な配慮を行うこととしたほか、平成十五年の三月には、中小金融機関、地域金融機関につきましてリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムを策定し、中小企業金融の再生に向けて各種取組を行っているところでございます。このようなことで、各金融機関におきましては、例えば中小企業向けの無担保、第三者保証不要の融資商品の販売拡大等を中心として中小企業向け貸出金の増加に向けて積極的に取り組んでおるところでございます。
 中小企業に対する金融機関の貸出し態度を見ても積極的な動きが明確になってきているということでございまして、金融庁といたしましては、今後とも健全な中小企業に対する資金供給の一層の円滑化に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○山下英利君 今御答弁いただきました、その無担保信用で貸すということを積極的に進めていくと、そういった中で、やっぱり金融機関、リスクを検査で指摘されるわけであります。したがって、無担保信用で貸したらそれがすなわち不良債権につながるというようなところは、まだまだ金融機関にとっての恐怖感というか、腰が引けている部分、私はあると思うんです。したがって、そういうときにいかにして信用補完というものをして金融機関にリスクを取ってもらうか、リスクを取らせるのかと、こういった施策というのは大変重要ではないかなと、そのように思っているところであります。
 いまだにやはり地方においても貸し渋り、貸しはがし等といった言葉も一時期ではないですけれども聞こえてくるという状況は、この再生プログラム、不良債権処理というものがまだまだこれから引き続きやらなければいけない、そういった中における今回の改革プログラムというのは、その辺のところを踏まえてどのような対応というものを考えていらっしゃるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。分かる方で。
○政府参考人(西原政雄君) 今、検査の関係でお話が出ましたので、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
 この現状の下において地域金融機関がいろいろ中小企業に対しての貸出しを行う、それに対して厳格な査定を行うことによって貸し渋り等に結び付くんではないか、こういったお話でございます。
 こういった点につきまして、私ども、検査におきましては、当然のことながら、委員御案内のとおり、検査というのは、その目的というのが信用秩序の維持ですとか、あるいは預金者保護の問題、あるいは金融の円滑化、こういった観点からの検査でございますけれども、一方でやはり、それは主要行であれ地域金融機関であれ同じではありますけれども、地域金融機関の一番大きな点というのは貸出し先がその大宗がやはり中小企業であると、こういったことかと思います。
 したがいまして、私どもはその点はやはり目配りが必要であるということで、大企業とは違った目配りといいますか、きめ細かな検証と、こういったことが重要だということで考えておりまして、やはり中小企業に対する貸出しにつきましては、その経営実態についてやはりきめ細かに検証していく必要があるということで、通常の検査マニュアルとはまた別に、別冊で中小企業融資編というものを用意してございます。
 こういった中で私ども、例えば先ほど申しました今事務年度における検査基本方針、この中でも一つ項目を重点事項として挙げておりまして、「中小企業再生や地域経済の活性化を推進するため、地域金融機関における中小企業再生に向けた支援の取組み状況の検証を行うとともに、中小企業の経営実態等に即した検査を推進する。」と、そういうような方針で臨んでいるところでございます。
○山下英利君 今のその内容についても私も拝見をさせていただきました。そして、大事なところは、今これだけ不良債権比率がどんどん下がってきていると。だけれども、これからはこの不良債権比率をどこまで下げるのかというのがやっぱり一つのめどになってくるんじゃないかなと思います。
 というのも、不良債権の比率、これは例えば信用金庫であれば一〇%、あるいは地方金融機関であれば六%と。もちろん、メガバンクと中小金融機関、ここのリレーションシップバンキングというところで区分はされておりますけれども、そういったある程度のガイドラインで不良債権というものを見ていく、こういったことも必要ではないかなというふうに思っているところでありますけれども、これを全く、金融機関、例えば地方の金融機関はリレーションシップバンキングですよと、その中には特にそういったガイドライン等は含まれていないわけでしょう。そうすると、やはり不良債権の比率というものに縛られてしまうと。ある程度一定の水準というのを維持しながら、その中で、例えば信用無担保で、しかも貸出しをするというところは経営判断としてやらせるようなそういった指導というのも必要ではないかなというふうに思っているところであります。
 これは特に質問をいたしませんので、金融庁に対する私の意見ということでお聞きをいただきたいと、そのように思っております。
 ですから、今回新しく金融改革プログラム、これを拝見しますと、どちらかというと、そういった不良債権の処理ということではなくて、今度は要するに、例えば投資家であるとか、従来言われている間接金融から直接金融へというところの流れの中での改革プログラムというものが策定をされているのかなと思いますけれども、例えば中小企業の場合には、直接金融に行きたくても行けないところは一杯あるわけです。
 したがって、もちろん改革プログラムを進める中で、間接金融のところの資金供給、潤沢な資金供給がなされる、そういった仕組みも併せて考えていかないと、これは、金融再生プログラムこれで終わりですよというような考え方では、まだまだ地方の活性化には金融機関、それだけの足腰が付いていないというふうに私は感じております。その辺、金融庁、何かコメントございましたら。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から大変重要な御指摘をいただいておりまして、そうした委員からの御指摘、問題意識というものは私ども全く共有をしているところでございます。
 特に、リレーションシップバンキングの機能というものを遺憾なく発揮をしていくということは、これからの地域経済の活性化においても大変重要なことでありますので、今日までアクションプログラムに基づいて様々な施策というものを展開をして、そして目利きの能力を上げる、あるいは過度に担保や保証に依存しない融資商品というものを開発をして投入をしていく、そうした取組をしてきたわけでありますけれども、そうした取組というものを更に深化、拡充をさせてやっていくということが金融改革プログラムの中の一つの大きな項目であります。
 私どもとしましては、この金融改革プログラムにおいて、今までのリレーションシップバンキングに関するアクションプログラムの評価をして、その上で新たなアクションプログラムを策定をさせていただいたところでございますけれども、引き続き、担保や保証に過度に依存せず、そして与信先の事業計画、財務状況あるいは返済財源等を的確に把握をして適切な融資を行っていく、そのための地域密着型機能というものを一層発揮していただけるように各金融機関において計画を策定をしていただいて、その計画も、それぞれの金融機関の特性あるいは地域の状況というものを踏まえた個性ある集中と選択による計画というものを策定をしていただいて、中小企業金融の円滑化、経営力の強化、そして地域の利用者の利便性の向上、こうしたものを図っていけるような計画を立てていただくことを要請をさせていただいているところでございますので、私どももそうした取組というものを適切にフォローアップをしていきながら、地域密着型金融の機能強化というものが実現されていくことを期待をしているところでございます
○山下英利君 確かに、中小企業の場合には実質的な資金需要というところが非常にポイントになってくるところだと思います。例えばメガバンク、大手都銀等は、中小企業融資、これをしっかりやっているという現実を見たときに、それは期を越えるときだけ数字が膨らんでいるというような状況というのが見れるわけであります。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
 これはなぜかというと、実質的にその資金需要というものが、やっぱりこれまでの経験から、まだまだ減価償却といいますか、本当に対外借入れをして、そして新たな設備需要であるとか前向きな投資にお金を使うという行動というのは、これは中小企業になればなるほどなかなか出ていきにくい、そういった環境にあると思っています。そして、もう一方では、本当に今資金が必要だと、もうここさえ乗り越えれば何とかなるというふうなところに対する金融機関の見方ですね、そういった、後ろ向きとは言わないけれども、やっぱり今支えなければいけないという中小企業をリスクを取って支えることができるかどうか。
 先ほどちょっとお話もありました、格付が上がったと、格付を見直ししたと、そういった実態面も踏まえて、金融機関がやっぱりリスクを取って貸出しをして格付を上げられるように育てていく、そういった環境がなければ地域の中小企業金融というのはうまく動いていかないと、そういうふうに思っていますので、ただいまの大臣の御答弁、しっかりと承らせていただきましたので、本当にやはり地域を支えるのは中小企業ですから、そこのところをしっかりと踏まえた金融行政、お願いしたいと思っています。
 そして、次に私、質問を変えさせていただきますけれども、やはりこの不良債権の処理と併せてこれまでの金融再生プログラムの中ではただ単にその貸出し先の整理ということじゃなくて、不良債権を処理するということだけではなくて、いわゆる企業を再生するということもやってきたわけであります。その金融再生プログラムは、どちらかというと金融システムを守るというふうな意味合いで受け取られているところがあります。その結果、倒産、廃業に追い込まれた企業が多いというのはもう言わずもがなのところでありますけれども、ようやくここまで来ましたと。しかし、それだけじゃなくて、一方では企業の再生にも注力をしてきたわけであります。そして、これまで言われた市場競争力のない企業は市場から退出していただくというようなことを言われておりました。でも、その退出をしていただくというその言葉の響きというのはもうやはり温かみのある言葉でなければならないわけでありまして、切り捨てるというやはり言葉というか意味が少し強くなっているんではないかなというふうに思っております。
 そして、今日は村上大臣に御出席をいただきましたんで、そういった再生の面において、産業再生機構、これを御担当いただいておりましたので、これについて御質問をさせていただきたいと思いますけれども、産業再生機構が十七年の三月末で新規の買取りを終了という形になりました。実際に、業務は平成二十年までこれをやって平成二十年で解散するというようなことを承っているわけでありますけれども、機構のこれまでの仕事に対する評価とそれから今後三年の展望という形でちょっとお聞かせいただきたいんですが、これまで機構が買い取られた案件の中でも地銀の案件って相当あるんですね。そういったものを踏まえまして、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(村上誠一郎君) 御質問ありがとうございます。
 産業再生機構は、御承知のように、表裏一体の関係にある、先ほど来御審議になりました金融再生と産業再生を同時にかつスピード感を持って進めるために期限を限って公正中立的な立場から事業再生を支援する組織として設立されました。
 御承知のように、平成十五年五月の業務開始以来、市場原理を尊重しつつ、民間の専門家を最大限活用することにより、本格的な事業再生に取り組んできているわけであります。特に、山下委員は金融のエキスパートですからお分かりのように、結構資産査定というのがやはり時間とそれから経費が掛かるんですね。そういう面で、今回ずっと横で見ていて一番印象を受けましたのは、非常に入念な資産査定をしっかりやると。そして、そのしっかりやった資産査定を前提としてまたがっちりした再建計画を立てていくということが、私も非常に横で見ていて感心していました。
 特に、今まで欧米に比べて再生請負人と申しましょうか、本来、大蔵委員長のときからも気にしていたんですが、護送船団方式でしたから、本来金融機関から再生請負にだれを送り込むか、そしてまたそういう産業の、委員御指摘のような再生のノウハウ、これが残念ながら今まで欧米に比べて少なかったんじゃないかなと思うんですね。そういう面において、今回この二、三年においてそういう人材の育成と、それからまたそういうノウハウをやはりかなり蓄積してきたんじゃないかなと思います。
 そういう中で、例えば事業の再生には本来貸手である銀行がどの事業を再生したりどの事業を整理するかといった見極めと申しますか、そういうものがなかなか難しいんですが、そういうような判断をやはりこううまくやるようになってきたんじゃないかと思うんです。
 そういう点で、機構は必要な専門家を使って必要な経費、時間を使ってやってきたわけですけれども、今後新たな事業再生モデルを提示するとともに、民間だけでは関係者の調整が難しい案件等もよく取り込んできたんじゃないかと思います。そういう機構の活動が一つの呼び水となって事業再生市場の私は活性化の兆しが出てきつつあるんじゃないかなと思います。
 そういう中で、先ほど委員から御質問ありましたように、特に足利銀行関係の中小の案件が昨年の年末から今年にかけてかなり入ってまいりました。そういう中で、私自身としては今までの機構に蓄された人材、経験、ノウハウを今後の地方の再生事案、中小企業の再生事案にうまく利用して還元していただけたらいいなと、そういうふうに今感じています。
○山下英利君 今の御答弁をお聞きいたしまして、ですから、これから貴重な経験、ノウハウを持った人的支援をどういう形でまだ引き続き必要な地方の産業再生に対して振り向けていかれるのかというところが非常に関心のあるところでありますし、大事なところだと思うわけであります。
 これは事務方の方からで結構ですけれども、これからの人員計画というものを、何かお考えありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(藤岡文七君) 担当大臣の方から御答弁申し上げましたように、機構は、一昨年の業務開始以来、市場原理を尊重いたしまして、民間の専門家を最大限活用するという前提にのっとりまして本格的な事業再生に取り組んでまいったところでございます。
 現在、機構自体は二百名を超える人員を擁してございます。ただしかし、機構が四十一件の支援を行うに際しまして、その数倍のいわゆる民間からの業務の外部委託、民間への外部委託を行ってございまして、正にそういう最先端のプロフェッショナルを実地にいわゆる育てつつ活動を行ってきたところでございます。
 そういうことで、今後、機構でございますけれども、これまでの活動を通じました蓄積や知見、ノウハウを積極的に市場に還元していくという下で、我が国の事業再生を担う人材や新しい仕組み、市場をつくり育てていくためにできる限り貢献をしていくという考え方でございます。
 以上でございます。
○山下英利君 ありがとうございました。
 今御答弁いただいたように、民間への外部委託というものがこの産業再生機構の仕事において非常に大きな位置を占めているというふうに私も感じているところでありますし、やはり地域の再生においても、この再生機能に民間の外部委託をしっかりと埋め込んでいかないといけない。そういう意味におきましては、産業再生機構が今までやっていただいたそういったシステムというのは、これをそのまま地方にうまく委嘱していく、これは非常に重要なポイントではないかなというふうに思っているところでございます。
 そこで、お伺いをしたいんですが、地域経済の活性化はまだ道半ばだと、私はそういうふうに思っていますけれども、この主役である中小企業、地方を含めた中小企業の産業再生機能について、これは経済産業省の方からちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 中小企業の再生支援につきましては、現時点では、各全都道府県に発足をいたしました中小企業再生支援協議会という場を通じまして、地域の総力を結集して、相談から再生計画策定支援まで、きめ細やかに中小企業の再生を支援しているところでございます。
 協議会では、これまで、平成十五年の二月の事業開始以来、約六千社の企業からの御相談に応じますとともに七百八十二社の再生計画の策定支援を行っているところでございますし、そのうち三百五十九社の再生計画が完了いたしまして、結果二万六千名の雇用が確保することができたということが、関係者の皆様の御努力によって成果が上がっているんではないかというふうに考えているところでございます。
 今後、こうした中小企業の再生に対するニーズにつきましては更に拡大すると考えてございます。協議会に金融機関との調整を含めた再生計画の策定支援を依頼する中小企業者の数は引き続き増加傾向にございますし、加えて、地域の金融機関からも持込み案件は今後更に増加するという情報を私どもは受け取っているところでございます。
 こうしたことから、この再生計画策定支援を行う専門家の拡充など協議会の体制強化ということは必須ではないかというふうに考えているところでございまして、こういった点を中心といたしまして、協議会活動を更に活性化をしていき、中小企業の再生支援に万全を期したいというふうに考えているところでございます。
○山下英利君 今お話をいただきました地域再生協議会、こういった地方のそれぞれの取組に対して、是非ともこの産業再生機構がつくっていただいたノウハウを委嘱できるように御検討をいただきたいと思います。
 これは本当に、特に外部委託というところで、いかに効率よく、そして民間の視点でこの問題に対処するかというところは、最近非常に話題になっていますけれども、MアンドAの世界ではやはり行政がなかなか入っていけない部分を民間にも担わせるという観点も必要になってきますし、それから、やはり基本的にその地域の産業というものをどういうふうに位置付けるかというところは、これは今度は行政がしっかりと支援しなきゃならない部分だと思いますので、役割分担というのは非常に重要だと私は認識をしておりますけれども、副大臣、何かお考えがございましたらお聞かせください。
○副大臣(保坂三蔵君) 山下委員もかねてからお話がありましたように、金融と再生は常に一体であらねばならない、このようにお話がございました。
 我が国政府は、経済の停滞の背景には過剰供給と過剰債務がある、このことを常に考えてやってきたわけでございます。したがいまして、金融再生プログラムにおきまして不良債権の処理の加速をやってまいりましたが、それに併せて、産業再生機構の設立や、あるいはまた産業活力再生特別措置法の抜本改正だとか、私たちは産業再生に向けて頑張ってまいりました。
 今回、一連のメルクマールが目標に達成するということになりまして、骨太の方針二〇〇四年によりまして、金融改革プログラムが金融庁によって昨年末に制定されたわけでございます。その中を拝見いたしますと、この一体再生ということについては非常に重きを置いていただいておりますことを私たちも高く評価しております。
 ちなみに申し上げれば、例えば、不良債権の早期認知だとか、あるいは先ほど伊藤大臣からもお話がありましたとおり、過度に例えば担保や保証に依存しないような資金調達手法の拡充、あるいはまた、今お話のありました地域活力や、あるいはまた事業再生に向けてのいわゆる金融の中小企業向けや、あるいはまた地域向けの金融の円滑化、こういう面が含まれておりまして、これらはいずれも金融面から産業再生へ後押しをしてくれている、こういう施策であると認識しております。
 そこで、私たち経済産業省といたしましては、この方針に基づきまして、産業再生に向けて金融、産業一体の観点から頑張っていく所存でございますが、問題は、金融面から是非地域の中小企業やあるいは地域のニーズを十二分に勘案していただいて、そして金融の面で地域活性やあるいは中小企業事業再生が図られるように、金融サービスを徹底していただきますように、強く期待しているところでございます。
○山下英利君 今日は経済産業省が所管のいわゆるこの決算委員会の質問ではないんで、もうその程度にとどめさせていただきますけれども、是非ともそういった観点で金融と産業再生、連携したこれからの取組というものを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、それがうまくいかないとまた前に戻ってしまうと。この金融再生プログラムが進む中で、やはりRCC、債権買取機構というものが、あそこに送られたら墓場であるというふうに盛んに言われていたわけであります。今日はちょっとRCCを管轄する預金保険機構の方から御出席をいただいておりますので、最近のRCCの取組状況についてお聞かせください。
○参考人(永田俊一君) 整理回収機構、RCCでは、これまで、破綻いたしました旧住専の会社や金融機関等から債権を譲り受けるほか、金融再生法第五十三条に基づきまして健全な金融機関等から不良債権を買い取り、これの管理、回収を行ってきているところでございますが、これまで買い取った債権の買取り額は平成十六年十二月末で総額九兆六千五百三十一億円、回収額については七兆七千五百十一億円、回収率は八〇・三%ということになっております。
 もう一方の、今御議論のあります再生の問題でございますけれども、これにつきまして若干申し上げますと、企業再生に関しましては、企業再生本部をも設置いたしまして、中小企業を含む企業再生に積極的に取り組んできております。その結果、発足以降平成十七年二月末までの間に回収機構が関与いたしました企業再生の件数は三百二十三件となっておりまして、八割強の二百七十二件が中小企業が占めているといった状況になっております。
○山下英利君 ありがとうございます。
 RCCがもう昔のような墓場ではないというふうなことを定着させるように、これは総合的なやはり企業再生、金融と一緒になった取組でそういったことが可能になると思いますので、この再生の部分において、預金保険機構からもRCCの取組、しっかり見ていっていただきたいと、そういうふうに思います。
 大分時間がなくなってきましたので。先ほど保坂副大臣の方から御答弁いただきました。新産業の育成と金融については正に副大臣御答弁されたとおりであります。
 実際、ベンチャー企業にしても、これはこれまでの間、新規創業とそれから廃業と両面があるわけであります。したがって、特にベンチャー企業の場合には、金融というものがなかなか間接金融難しいという側面もあります。そういった面における直接金融も視野に入れた今回の金融改革プログラムというふうに私は期待しているところなのであります。
 そこで、そういった間接金融から直接金融へといった流れの中で、一点御質問をさせていただきたいと思います。
 これまで金融緩和が大分進みまして、そして債権も流動化が進んでおります。そういった中で市場へやはり軸足が向いている、そういった流れがございます。こんな中で、この市場への軸足が重くなってきている中での市場監視体制というものについては、従来とはまた違った見方で考えなければいけないんではないかなと、そういうふうに思っております。
 金融庁それから証券取引等監視委員会、そういった形での取組がなされているところでありますけれども、私の考え方をまず申し上げると、証券市場の規制と、あるいは監視というものと、最近よく言われている金融のコングロマリット化への規制そして監視体制というものが一体化するべきなのか。
 やはり市場が今非常に動いているという中で、証券取引等監視委員会が行っているいわゆる監視の仕事に対して、この企画立案というところ、やはり制度を見直す際にもやはり現場がどう動いているかということに敏感に対応しなきゃいけない、そういった側面が最近とみに出てきております。
 そういった中で、日本の場合には、証券取引等監視委員会の人員配置、これはアメリカのSECと比べますとはるかに少ない。しかし、実際には、部門的なものを合計しますと、これは欧米とそんなに遜色ないんだというような御説明いただくわけですけれども、そういった役割を分担していることによるかえって非効率性というものもあるんではないかと思っております。
 こういった監視体制についての御意見を、まず証券取引等監視委員会の方からお聞かせをいただきたいと思っています。
○大臣政務官(西銘順志郎君) 証券取引等監視委員会は、平成三年九月の行革審答申で示された、市場の公正性を確保する観点から、市場ルールの遵守状況を中立的、客観的な立場から監視する機能を充実強化することが特に重要であるというその基本的考え方に沿いまして、平成四年七月、大蔵省の内部部局から独立した委員会として設立されたものでございます。先生よく御承知のとおりでございます。
 この監視委員会は、制度の企画立案や行政処分に関する権限は有しませんが、金融庁の企画立案部局が市場ルールの企画立案を行うに際しては、市場ルールの実効性が担保されることが重要だという観点から、必要に応じて監視委員会とも意見交換を今行っているところでございます。
 金融庁といたしましては、市場監視機能の独立性を確保しつつ、監視委員会との緊密な連携を確保することにより市場行政の適切な運営に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 先生、先ほど、金融コングロマリットの話も出てまいりましたが、金融コングロマリットの出現や金融商品の一体化といった流れを踏まえれば、金融行政当局に関しましても、企画、検査、監督、監視、機能別に編成することが、銀行、証券、保険、各分野を業態横断的に所管することを可能とし、適当であるというふうに考えておるところでございます。
○山下英利君 もう時間もなくなってまいりました。
 私から一言申し上げたいのは、とにかく今のマーケット環境がどんどん動いている、言ってみれば、それは米国的な流れで動いているというところがあります。ですから、マーケット環境の国際化と、あるいは一方では電子化、そして企業の業態の統合等によるコングロマリット化、こういったもの、やっぱり方向性というのが幾つかに分かれてきている。その中で全部を総合してという部分というのが果たして本当に適しているのか、その点についてはまた御議論をさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。





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