議 事 録


■第161回国会 参議院決算委員会 (平成16年12月2日)


○山下英利君
 自由民主党の山下英利でございます。
 荒井委員に引き続きまして、関連ということで質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、先ほど荒井委員の方からの話もございましたけれども、この決算、小泉総理、リーダーシップを発揮していただいて、前回よりも更に前倒しということで、この十一月、十二月という臨時国会の場においてこの決算審査に入らせていただいたということに対しまして、心から敬意を表したいと思います。
 そして、やはりこのプラン・ドゥー・シーですね、予算、そして予算の執行、そして予算の執行調査と申しますか検証、やはり決算があって次の予算につながっていくという思いを私も持っておりますし、それが一般の国民の皆さんからしても非常に分かりやすい流れではないかなと、そういうふうに思います。
 したがいまして、情報技術、大変進みました。一昔前であればこのように早い決算、国の全体の決算ですから大変な事務量ではあります。それを克服して前へ進んでいただいていること、これは有り難いんですが、引き続き御尽力をいただきまして多少なりとも前へ進む御努力を続けていただきたいと、そういうように思います。この決算審査が早く入れれば入れるほど予算の策定に対して非常に有効かつめり張りの利いた予算という形が取れるんではないかと、そういうふうに私は思っているところであります。
 私の質問は、荒井委員から引き続きまして、やはりこの今の経済、財政の運営についてから入らせていただきたいと思います。
 もう経済、財政、非常に厳しい今の国の財政状況ではありますけれども、また一方では非常に分かりにくい部分でもあります。一般の国民の皆さんから見て本当に分かりやすいという形での運営をしなければ、国民の皆さんに対して新たな負担を求めるということについては、大変やはりアカウンタビリティーというもの、説明責任というものが要求されるんではないかなと、そういうふうに思っております。
 そして、まず、冒頭ではありますけれども、小泉総理に基本的なお考えをお聞かせをいただきたいと思っております。
 今総理が進めておられます構造改革、その中での財政改革と、財政構造の改革という中で、二〇一〇年代初頭においてはプライマリーバランス、これの黒字化を目指すということが言われております。プライマリーバランスと申しますと、いわゆる一般的な歳出はこれは税収で補うと。しかし、今、国は膨大な借金をしょっている状態でありますから、引き続き、プライマリーバランスを黒字化してもこの借金に対する利払いの負担は引き続き残っていくと。しかし、まずその前に、まずその前段階として、まずプライマリーバランス、いわゆる一般歳出をこれは税収で賄っていくという一つの理念の下に、今財政の構造の改革、これを進めていただいているところでありますけれども、歳出面を切り詰めると申しますか、予算を圧縮をしながらやはり無駄を省いていく、無駄のないところを、見直していく。
 これは、毎年の予算編成を見ても非常に厳しい状況というのが続いているということは私も十分理解しております。しかし、この二〇一〇年代初頭のプライマリーバランス黒字化への道筋について、やはりこれから先どういうふうにその方針を持って、方針といいますか、歳出歳入の方針を持っていかれるのか、この辺につきまして、やはり総理としての基本的なお考え方、これを伺いたいと思います。
 平成十五年度の決算におきましても、いまだに税収の減少に歯止めが掛かっていない状態であります。国全体の予算からして半分近く、四五%は公債で賄う。実際に税収が半分しかないのに、その倍近い歳出があると、このような状態というのは非常に、改善をしなければいけないと、これはだれもがそのように思うところだと私は思っておりますけれども、そういった中で続けておられます歳出の改革。しかし、一方では、歳出はどこまで切り詰められるんだといったら、これはおのずと私は限界があるものだと、そのように思っております。したがって、今度は歳入の方をどのように確保していくのかと。いわゆる歳入と歳出の双方の改革が、これはもう待ったなしの状態ではないかなと、そういうふうに思います。
 この歳入の改革も含めて、小泉総理の全体的な基本的なお考え、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 財政の改革というのは経済の発展に欠かせることはできないわけでありますが、現在の財政状況を見ますと、財政健全化を目指すということと、現在の経済情勢というものを好転させていき、民間主導の持続的な景気回復基調を定着させたいという、こういう両面をにらんでいく必要があると思います。
 私、就任して以来、できるだけ国債の発行を抑制しなきゃならないと、財政健全化と経済の活性化を両立させていこうということで今までやってきたわけでありますが、この問題につきまして、財政再建、財政健全化を急ぐと、これは増税もすると同時に歳出削減もするとなると財政は健全化の方向に進みます。しかし景気を見ますとね、これに対して増税というのは景気を考えるとプラスに働くものではないと。歳出削減も総論は賛成ですけれども、関係者は、自分のところの予算は削減しては困ると、自分に関係ないところは削減しろということであって、全体の立場から見れば全部関係してくるわけですから、これまた総論賛成各論反対が噴出してくるわけであります。
 そういう中にあって、私どもとしては、一般の歳出というのはできるだけ小さくしていこうと、これ以上一般歳出を増やしていきますと、将来この財政負担というものが大変な問題になるということから、一般の歳出というものは前年度以下に抑えていこうという努力を続けてきているわけであります。
 しかしながら、今までの借金の返済等を考えますと、国債発行を減らすというのも容易じゃないと。景気が低迷していますと税収も上がってこないということから、予定した税収を下回ってくる。となると、更に削減すると景気に悪い影響を与える。それじゃもっと国債を増発するとなると、これまた経済にいい影響を与えないということで苦労してきたわけですが、ここに来てようやく景気も回復基調になってきて、税収も、今まで予定した税収を下回ってきたわけでありますが、最近の状況をにらみますと、税収も、下回るという状況よりも、見通しよりも上回る状況になってきたんじゃないかという見方が強くなってまいりました。
 こういう状況で、景気の現状を見ながら、財政健全化と経済の回復というものを両にらみで、できるだけ国債の発行を抑制していく、増税を避ける、そして歳出削減、これは増やすべきところを増やした場合には減らすところも減らそうということで、来年度も実質的には今年の一般歳出は前年度以下に抑える努力をして、財政健全化と景気の回復、両立を図るように、これからも懸命な努力をしていきたいと思っております。

○山下英利君
 ありがとうございました。
 総理はそういう形で景気にも配慮するというお話ではあったんですが、ただ、今の財政の状況を見ますと、それで、あと十年、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスが本当に黒字化をするのかといったところの不安というのは引き続き残っているわけでございます。したがいまして、余り急激なそういった国民に負担を求めるような形であっては、今度は本当に日本の国自体が破綻、破綻と申しますか、やる気をなくしてしまうと。ですから、その辺の運営のところにつきましては、やはり時期をしっかりと見て方向付けをしていただきたいと、そのように念願をするところであります。
 そういった意味におきまして、このプライマリーバランス黒字化への展望につきまして、今度は内閣府の竹中大臣にお考えをお聞きしたいと思うんですが、やはり通常国会におきましても議論はされました財務省が出しておりますいわゆる後年度試算、これと「改革と展望」の内閣府試算におきましては乖離があるわけでございます。その乖離については、既に前提条件あるいは手法の違いがあるということで両論併記のような御説明をいただいているところなんでありますけれども、内閣府の見るこのプライマリーバランス黒字化への展望に対して私から御質問申し上げたいのは、まだ日本の経済、デフレが止まっていないという状況であります。
 このデフレが止まっていないという状況を一日も早く克服しなければ、内閣府の展望のあのシナリオにはならないんではないかなという私自身の疑問があるので、竹中大臣からその辺のところと、それからやはり歳入の確保のために税という国民に対する負担というものをどの程度織り込んでいらっしゃるのか、その辺につきましてちょっとお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君)
 基礎的な財政収支を回復する、委員がおっしゃいますように、年々の政策的な経費はその年の税収で賄えるようにする、それが基礎的な財政収支を回復させるということの意味ですけれども、それをまずやる。そのための枠組みというのを、内閣府の試算、それを裏付けに持っております「改革と展望」というもので内閣としては示していっているところでございます。
 委員のお尋ねは二点ございまして、一つは、内閣府の試算と財務省の試算、それは違うのは分かると。いつも申し上げているように、これは範囲が違います。財務省は一般会計、我々は国全体の財政ですから、範囲が違います。前提も違います。前提は、我々はある一定の政策を続けていったらどうなるか、財務省の方は今の状況が続けばどうなるかということ、横置きをしているというところで違う。手法も、我々はモデルでやっているのと違う。
 その中で、質問の第一点は、デフレというものが本当に克服されるのか、大丈夫なのかという点でございます。
 言うまでもなく、このデフレを克服して名目成長率を高めていきませんと委員御心配の税収が増えていきませんから、その意味で、名目成長率を大変重視しているという立場を取っています。
 具体的には、二〇〇六年度に二%の名目成長率が達成できるように、そのためには実質成長率もしっかり高めて、一方で物価が下がらないようにデフレを克服する。実質成長率に関しましてはおおむね我々が目標としてきたところに、この一年間に関しては、過去一年間に関してはしっかりと戻ってきているという状況にございます。しかし、緩やかなデフレは続いております。この緩やかなデフレ、私はかねてから申し上げておりますように、やはりマネーが、通貨の供給がしっかりと増えていかないと、これは物価というのは上がっていきませんので、そこは日本銀行にも努力をいただいて、政府、日銀一体となって引き続き努力を続けるという中で是非これを実現していきたいと思っております。
 もう一つ、税の具体的な見積りをどのように行っているのかと、この「改革と展望」で示された試算は大丈夫かと、そういう御質問だと思います。
 税に関しましては、基本的には過去の税制改正の影響をきちっと見込んで、かつ、ある程度名目成長率が回復していく中でそれを租税の関数等々によって推計をしているわけでございますけれども、政策に関しては、例の基礎年金の国庫負担率を引き上げるための税源をどう確保するかということ、これは政策的に加味をしております。
 具体的には、十七年度から二十一年度までの五年間、各年度約六千億円ずつ段階的に国民の負担を増やしていただくというような前提を置いております。どのような形で増やすかというのは、これはモデル上の技術的な問題でございますので、これはどのような形を取ろうともマクロ的な結果というのは余り変わらないんでございますけれども、一定の前提を置きまして、それで六千億ずつ家計にその分を負担していただくということは、これは税収の見込みの中に織り込んでしっかりとした見通しを作っているつもりでございます。
○山下英利君
 どうもありがとうございました。
 今の御説明でも、やはりそのデフレを克服するというところが大きな目標にはなっているんですけれども、じゃ、いつデフレが克服できるのかというところと、この「改革と展望」の二〇一〇年代、プライマリーバランスが黒字化できるかどうかと、大変重要なポイントになると思います。デフレを克服させるための努力と、そして二〇一〇年代のプライマリーバランスを黒字化するというところとがきっちりと分からないと。私が申し上げたいのは、二〇一〇年代、プライマリーバランス黒字化するために、やはりデフレの状態であっても、ここまですればこうなりますよ、黒字化できますというふうな考え方というのも頭に置いておかなければいけないんではないかなと、そのように思うわけであります。
 デフレの克服、これ自体の努力というのはもういろいろやっておりますし、それ自体理解をしておりますけれども、これが人為的にデフレをインフレの方へ転換できるというふうな技術論では語れないところが私はあると思いますので、その辺のところをしんしゃくしなければいけないというふうに私は思います。その点につきまして、財務大臣にもう一度お伺いをしたいと思います。
 基本的にこのプライマリーバランス黒字化への考え方についてなんでありますけれども、国民の負担と給付の在り方についてということをかねてから大臣もおっしゃっておられます。財政制度審議会が試算を行いまして、現在の財政構造を前提としますと、これは財務省の後年度試算ですから国の一般会計というところを中心にお話をさせていただきたいんですが、十年後の二〇一四年度のプライマリーバランスはマイナス二十七・八兆円にまで拡大するというふうな数字が出てきております。もちろん、先ほど竹中大臣が御説明いただいたところとは前提が違いますからこれはそういうふうに受け止めますけれども、これだけの大きなギャップができてしまうということについて、これ、歳入、歳出両面からの財政構造改革が必要とする中で、国民の負担と給付の在り方ということについての財務大臣の基本的なお考えの中にやはり税というものをどのように位置付けていらっしゃるか、これをちょっとお話をいただきたいなと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)
 山下委員が今御指摘になりましたように、財政等審議会で一つ試算を作っていただいて、先ほど竹中大臣のおっしゃったのは、いろいろな構造改革の努力を積み重ねていって二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復していくんだという一つのシナリオでございますが、現在の構造をそのままに放置しておくと、十年後、二〇一四年度にはプライマリーバランスはマイナス二十七・八兆まで拡大してしまうと。これはまあいろんな前提を置いた一つの試算でございますからいろんな見方ができると思いますが、そういう計算も一つ出していただいたと。
 そうすると、それをどうやって克服していくかということになりますと、まず、先ほど総理もおっしゃいましたように、無駄な歳出を徹底的に省いていく、無駄な給付は抑えていくということが大前提としてあることは言うまでもございません。ただ、その努力は徹底的にやるとしましても、現在、高齢化等がどんどん進んできておりますと、どうしても高齢化に対応する費用というのは抑えるといったって限界がある、むしろ増えていく方向にあると。じゃ歳出だけで、歳出面の抑制だけで、じゃプライマリーバランスを回復していこうとすると相当無理な姿を想定せざるを得ないということもあの試算で示しておりまして、昔から入るを量っていずるを制すと申しますけれども、結局、歳入、歳出両面でバランスの取れた財政再建の姿を模索していくということではないかなと、こういうふうに考えているわけでございます。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
 それで、そうしますと、この入るを量るというのはいろんなことがございますけれども、一つは、景気を良くして持続的な成長を図る中で入るを量るというのがまず大きな方向としてもちろんございます。
 しかし、それと同時に税制改革というのもやはり念頭に置いて、前提としての歳出の抑制ということと併せて税制改革ということも念頭に置いていかなければいけないんではないかと考えておりまして、この税制の面につきましては、昨年末の与党税制改正大綱で、持続可能な社会保障制度を確立していく、あるいは地方分権を推進していく、いわゆる三位一体でございますが、そういった課題に対応する観点から向こう数年間の道筋を示していただいておりまして、私どもはこの道筋に沿って検討を進めていこうとしているわけであります。
 具体的には、平成十七年度、それから十八年度の二年間で、景気対策のための特例措置として小渕内閣のときから実施されてまいりましたいわゆる定率減税の見直しと併せて、国、地方の三位一体の改革を進めて税源移譲をしていくということの中で国、地方を通じた個人所得課税の抜本的な見直しを検討するということが今の大きな課題になっているというふうに考えております。
 それから、与党大綱では、年金、医療、介護、こういった社会保障給付全般に要する費用の見通しなどを踏まえながら、平成十九年度を目途に、消費税を含む抜本的税制改革を実現するとされておりまして、社会保障制度の見直しのこの検討状況をにらみながら、踏まえながらといいますか、にらみながら、消費税についても前広にいろんな議論をして、この社会保障負担に対しての国民の、どういうふうに幅広く担っていただくかというこの方向を模索していかなければいけないのではないかと、こういうふうに思っております。
 今後、与党の税制調査会における審議も踏まえながら税制改革の具体化に向けた取組を私どもも進めていきたいと、こう思っております。
○山下英利君
 ありがとうございました。
 先ほど、総理からの御説明もいただきました。税というのは、やはり景気に対しての大きな圧迫要因になるということも踏まえながら、しかし国民に、納得と理解を得る努力をしてお願いをしなきゃいけない。しかし一方で、やっぱりその納得と理解を得るというためには、アカウンタビリティーと申しますか、やはり歳出面におけるきっちりとした説明というものがこれは不可欠であるというふうに思っておりますので、その歳出、歳入両面におけるバランスというものをしっかりと見ていただいて、そしてやはりお願いするときはお願いする、できるように政府として対応をしていただきたいと、そういうふうに思うわけでございます。
 そして、今、谷垣大臣の方からお話もございました、その三位一体の改革であります。正に今、財政構造改革の中で、三位一体と総理がおっしゃいましたこの改革というのは、大変地方においても大きな反響といいますか、影響をもたらす大改革であります。
 実は、私の地元というか出身が、大変、滋賀県の山の中でございまして、高齢化率が三〇%を超える、そして過疎化が進んでいる小さな町であります。来年一月からその郡が六か町村一つになって合併をする、そういったところで走っているところなんですけれども、そこの町長さんが私に手紙を送ってよこしてくれたんですが、その中にやはり、将来の展望というものが見えないということをまずお書きになっていらっしゃいました。
 それはなぜかというと、確かに今まで国依存型のそういった体制の中で、やはり財政の健全化というところに対しての力が弱かった部分がありますと。しかし、ここに来て、この三位一体の改革で、人口の少ない町がやはり税源移譲という形で収入が減ったときに、本当にもう田舎の町ですから、そんな国家的な大プロジェクトをやっているわけではないと。また、住民にとって必要なインフラの整備であるとか、それから特に高齢化が進んでいますから、高齢化対策といったものに対しては大変財政的にも困難に直面している中でこの三位一体の改革がやってきたわけです。そして一方、来年年初から合併をいたしますけれども、その近隣市町村おしなべて財政的には強くないという中で、弱い者同士が一緒になって本当にこれでやっていけるのかという不安がその手紙の中に書かれておりました。
 私も、いや、今ここで三位一体の改革というのは、本当に地方が自立するための一つの大きなハードルです、ハードルを越えなきゃいけないけれども、その先に将来の展望が開けるようなきちっとした改革に仕上げていかなければいけない、そういった配慮を私からもお願いを申し上げるというようなことを申し上げておったところでございます。
 それで、ただいまの今言われている三位一体の改革の中で、総理常々おっしゃっておられます。地方にできることは地方にということ、すなわち地方、この改革というのは地方に自立して活力を持ってもらうための改革であるというふうに私は理解をしております。そしてそれは、地方が自立するということは、地方がその特色を生かしてやはり地方の活性化を図っていくというところが大きな目的というふうに私は理解をいたしておりますけれども、同時に国と地方の財政のスリム化ということも目指していかなければいけないという中にありまして、昨年度、地方予算に対しては大変、要するに予算を圧縮するという流れの中で地方の体力を著しく削ってしまっているんではないかと。やはり体力というものを蓄えておきませんと、実際に今度活力を生み出すというところの足腰が立たないんでは、地方としては動きが取れないというふうなところもあろうかと思いますので、そういったところ、谷垣大臣に御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 あわせて、私からちょっと申し上げたいのは、これは企業と違いまして、地方自治体の中に勝ち組、負け組が存在するというふうなことはあっていいものではないんじゃないかというのが私の個人的な所見でございますので、これからの三位一体の改革、しっかりと成功させるためにどうすればいいのか、その辺の御示唆をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君)
 今、山下委員が、御自分の選挙区、一番過疎地と申しますか、山奥の長の方からのお手紙を紹介されました。一番、多分、山下さんの選挙区で山奥である朽木村は、私のホームタウンである福知山の、そこから出てきました朽木公が城主をなさいまして、江戸時代、この朽木公は私の地元の福知山と山下さんの朽木村両方の、三万二千五百石で領主であったという、県は違います、京都府と滋賀県で違いますが、共通のつながりがあるわけでございます。
 そこで、そういうところから御心配がある。これは、三位一体は、先ほど委員が御指摘になりましたように、地方の自主性、自立性を高めるということと同時に、こういう国、地方の財政状況でございますから、両方のスリム化も併せて追求していかなきゃならないと、こういうことではないかと思っております。
 そうしましたときに、今、山下さんの御心配は自治体の中に勝ち組、負け組が出てくるんじゃないかということであったと思いますが、これは麻生大臣からお答えいただいた方がいいのかもしれませんが、私はかなり多面的に見ていかなきゃいけないと思うんですね。
 一つは、先ほど三位一体で、所得課税体系を国の所得税から地方住民税に移していくと。こういう中で、地方税体系というのをこれはよく見直すということによって財政力が余り、何というか、差が出ないようにするような税制改革を所得課税の中で、所得課税だけではありませんけれども、見直していくということがまず大前提としてあると思います。
 その上で、地方交付税の調整機能をどう発揮していただくかという問題があろうかと思いまして、これは今度のその三位一体の方針の中でも適切に財源措置をするということで決めさせていただいております。
 その上で、先ほども荒井委員からも御主張がございましたけれども、麻生大臣からも御答弁がございましたけれども、やはり無駄なものは排除していく。それからやはり、こういうときでございますから、透明性を高めて、アカウンタビリティーと申しますか、説明責任をやっぱりしっかりして苦しいところを乗り切っていく。そういう、住民に御理解もいただくということも必要なのではないかと思います。
 大綱にはそういう形で、大綱といいますか、この間の三位一体のでき上がった方針の中ではそういうことを書かせていただいておりますので、今後麻生大臣とよく御相談をしながらいいものに仕上げてまいりたいと思っております。

○山下英利君
 ありがとうございます。
 今の谷垣大臣のお言葉を伺って、非常に私自身もこれからの総務大臣、財務大臣のしっかりとした御議論を大いに期待しているところであります。と申しますのも、先ほど荒井委員の方からちょっと御質問させていただいて、麻生大臣の方から御説明をいただいたこのいわゆる決算乖離の話であります。
 私もどんぶり物好きなんで、先ほどのお話は非常にインパクトが強かったことを覚えておるんですが、これ地方財政計画と決算額の乖離について、やはりいろんな意味で、外野から聞いておりますと、これ地方税ではあるけれども、正式名称は地方税交付金という名称が付けられております。地方税、元々国が要するに地方のために税を徴収して、それを地方に分配すると。その中で調整機能、いわゆる保障機能という形を付けて地方に公平、公平といいますか、地方が人口の少ないところでもしっかりとやっていけるような財源措置をすると。したがって、これは元々地方の財源なんだという考え方と、交付金が付いておりますから、これは国が地方に対して交付している、いわゆる与えているお金なんだというふうな印象と、どっちなんだろうかというふうな、外野から見ていると単純素朴な疑問がするところであります。今回のこの決算乖離の話にしましても、今の点というのがすり合っていないんではないかなというふうな印象を受けたところであります。
 したがいまして、この決算額の乖離については、確かに投資単独経費と、それから一般行政経費、この辺が入り繰っているというか、ほとんど同額に近いくらい金額ずれているわけなんですけれども、それに対する見方というものももちろんありますし、それからやはり経費の中身がしっかりと精査といいますか、分かるようにこの地財計画の透明性を高めるということもまた一方では大変必要なことではないかなと、そういうふうに思っておるんですが、その辺のところ、その辺のところを、これからの対応につきまして、財務大臣、総務大臣から、一言ずつで結構です、お話をいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君)
 この点は実は麻生大臣と私の長い論争と申しますか、議論の争点でございまして、今、地方税交付金というんですか、その両方の名前からくる印象の差というのはやや麻生大臣と私でうずまっていないところがございます。
 確かに、先ほど麻生大臣が御答弁されましたように、地方の自主性というものを無にするような形での予算の議論というのは私はいけないと思いますが、他方、地方財政計画を組みますときに、言うならばその歳入と歳出の足らない部分は国からも補てんするという財政の保障機能というものがあるわけでございますから、国が標準的な財政として補てんをしなければならないようなところは私はオープンに議論をしていく必要があるのではないかなと思っております。この辺は余り私と麻生さんがけんかばっかりしているという印象を持たれないように、よく、仲良く議論をしていきたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君)
 基本的に、先ほど荒井先生の御質問にも御答弁を申し上げたとおり、基本は、同じことをもう一回申し上げるようで恐縮なんですが、地方財政計画というものは、そもそもの話からして、地方に入っております歳入は地方税、交付税ということになろうと思いますので、それは元々使途が明確にされたわけではない形で地方財政計画というのは作ることになっておりますので、大枠で決めて、そしてどれだけ足りないかという話で、枠で決めておる話であろうと思っております。したがいまして、細目はある程度ずれてくるというのはもうある程度当然の前提として元々作られておりますので、何となくそちらも三菱銀行でいろいろ人様の会社のあら、ずるっと洗っておられるのが商売だったんでしょうから分からぬことはないんですが、そういうところと違って、地方の自主性に任せてやるというところでここまで来ておりますのがまず第一点。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
 二つ目は、今、滋賀の山奥に限らず、それは丹波の山奥でも皆同じようなところの山の表裏で似たような状況で、幾らこれは町村合併しても貧しいところ集まったって豊かになるわけないじゃないかという御指摘も、私、それはそれなりに合っていると思っております。それなりに効率化はできますよ。村長さん十人が町長さん一人に変わってみたり、いろいろ随分経費の節減はできるとはいえ、それでも財政格差は僕はなくなるということはないと思っております。したがって、何らかの形でそこを埋めるという手段というものを持っていないといけないと思っておりますので、そのバッファーというか調整を、微調整、調整をする意味のものとしてこの交付税とか特別交付税というものはきちんとして持っておかないと不公平が起きるではないかということになろうと思います。これが二つ目。
 ただ、三つ目に、もう一つ考えておかないけませんのは、これは明らかに地方に対して、地方が地域を経営するんですよという地域主権とか地方分権という流れになってきますと、私は地方自治体というものを預かっておられる首長さんは、その同じ町で、人口も似たようなサイズ、環境も似たようなところで、片っ方はこんなに良くて片っ方は内容が悪いというんであれば、それは町長さん、首長さんとしての経営能力みたいなものが問われることになると思うんですね。
 そういった意味で、私どもとしては、今いろんな形でこの十月からホームページに、同じような町村で自分の町をクリックしたら、おたくの町はほかの町に比べて同じようなサイズでこんな具合に比較が出るんですよと全部出てくることになっておりますので、そういったのを見ていただいて、自分のところはもっととかいうような意味で、町長さんも同じような意識を持っていただくような形で経営努力をしていただくということも必要ですし、そのためにはアウトソーシング、地方自治法の改正もやらしていただいて、いろいろなものが結構自由にできるようになっておりますので、更にその種の方向で、自由度が増す方向でやっていく方向で事は進めていくべきだと存じております。
○山下英利君
 どうもありがとうございました。
 引き続きこの論争は続くんではないかなと、そういうように思います。
 しかし、先ほど私が御質問しました国全体の財政と、それからやはり地方の自立というもののバランスをこれはしっかり取っていかなければいけないということが一番の根幹にあると思いますので、確かに税制改正によってその辺のバランスを取っていくというようなところは、今度は技術論的なところも大いに含まれてくると思いますので、その辺、両大臣、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、今、また国全体の財政についてちょっと戻らせていただきたいんですが、やはり今、日本の国、大変な借金を抱えております。国、地方を合わせて七百兆と言われております。国だけでも十五年度末で普通国債残高は約四百五十九兆円に達しております。そして、この大変膨大な国債というものを安定した状態で管理維持するということ、これが財政上の最重要課題の一つだと、そのように私は今考えているところでございます。
 そういった意味におきまして、現在、政府でいろいろお考えいただいています郵政の民営化プラン、こういったことに関して、この国債という問題から考えてこの郵政民営化のプランが国債市場の混乱要因とならないか、その辺危惧している部分がございます。国債がちょっと金利が一%跳ね上がっただけで、要するに国の財政、硬直的なところがますます大きいと、役所の予算を圧縮させていただいても、その金利が上がった分であっという間に吹き飛んでしまうというところがございます。
 したがって、この国債管理政策上、国債市場の混乱要因というものに対してどう対応していくのかということは非常に重要な問題ではないかなと、私はそのように思っているわけでありますが、実際、財務省においても、買入れ消却あるいは個人向けの国債の導入等、国債管理政策を進めてその不安を解消に向けて努力をされているところでありますけれども、やはり百五十兆という大変膨大な国債を保持しているこの郵貯がこの郵政の民営化の中でやっぱり動きますと、それが一般の投資家に対する印象、これもまた不安定な要因の一つではないかなと、私はそのように思いますが、その辺のところ、御所見を大臣からお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君)
 現在、我が国は大量の国債を発行せざるを得ない状況でございますけれども、郵政事業というのは、長きにわたってこの国債を安定的に消化するインフラの役割を果たしてきてくれたと私は思っております。
 現在でも郵政公社は大量の国債を所有しているわけでございますが、私はかねがねこの郵政民営化の議論の中で、委員が御心配のように、国債市場におかしな影響が及んでしまってはなかなか影響が大き過ぎると、こう思いまして、一つは民営化への移行過程というのは透明じゃなきゃならないと、市場関係者に、ああこういうふうな方向に進んでいるんだなという、あらかじめ予測ができるような形で進めていかなければならないと、こういう点がまず第一点でございます。それから第二点目に、民営化が具体的に進んでいく姿に応じて移行期における適切な配慮をする必要があると、この二つのことを申し上げてまいりました。
 そこで、先般閣議決定されました郵政民営化の基本方針では「移行期のあり方」として二つ書いていただいておりまして、一つは「国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行う」ということであります。それからもう一つは「大量の国債を保有していることを踏まえ、市場関係者の予測可能性を高めるため、適切な配慮を行う。」と、こういうふうに入れていただいておりまして、これまでの主張をおおむねこの基本方針の中に受け入れていただいたなと受け止めております。
 今後、今から具体的な制度設計に入っていくわけですが、国債市場に不測の影響が及ばないように、この基本方針を踏まえまして、具体的な制度設計については関係方面ときちっと検討、調整していかなければいけないと思っております。
 一方、郵政民営化が進展いたしますので、今後も国債の大量発行が続くとこれは見込まれるわけでございますから、今後とも、今委員がおっしゃいましたような、国債の商品の多様化ということを通じて保有者層を拡大していくとか、あるいは借換債をいろいろ工夫して円滑な消化に努めるとか、その大前提は財政規律をしっかりするということでございますが、国債管理の在り方も工夫をしていかなければならないと思っております。
○山下英利君
 ありがとうございました。
 続きまして、また谷垣大臣に御答弁をいただきたいと思います。この決算委員会でも、前回の通常国会のときにやはり議論がありました特別会計の見直し、これについて御質問をさせていただきたいと思います。
 現在、三十一特別会計ございます。特別会計の見直しにつきましては、歳出の合理化であるとかあるいは効率化、透明性を高めるといった観点からこれを見直しをしていかなければいけないというふうに言われております。また一方では、多額の不用が発生している費目の抑制であるとか、あるいは一般会計への繰入れの減額であるとか、構造自体も見直していかなければいけないと。要するに、運用の効率化という点も配慮しなければいけないというふうに言われているところであります。
 これ、一般財源と違いまして、特別会計の場合は資金使途も限られているということで、資金の流れの透明性は本来は一般財源よりも明確になるというふうに言われておりますけれども、実際、一般会計に比べましてネットでも二倍以上の特別会計、これを今、国は持っているわけでございますので、こういった効率的な財政運営の観点から、特別会計は使途目的が限られているため運用が硬直的になってしまうと、こういった物の考え方につきましては私は必ずしも、じゃ柔軟にやっていいんだということは言えないと思います。というのも、やはり資金使途の目的が限られているからこそ間違いがないといいますか、継続的に仕事ができるという意味もございます。
 そういった点から、今進めていただいておりますこの特別会計の見直しにつきまして、財務大臣から特別会計の在り方というものにつきまして御意見をいただきたいと思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君)
 特別会計、いいとこ悪いとこと言うといけませんけれども、今委員が指摘をされましたように、一つは使途を一定の目的に限ると、こういうことで、要するに受益と負担の関係が明確化してくるとか、それから事業ごとの収支が明確になってくると、こういう利点がございます。
 そういうことによって、適正な受益者負担は何なのかとか、あるいは事業収入がこういうふうにすれば確保できるとか、あるいはこういう歳出が無駄であるということが一般会計の中に入れ込んでしまうより分かりやすいという、まあそういうメリット、特徴があるわけで、そのために使われているわけですけれども、他方、御指摘のように、その中で不用なものが出てくる、それから繰越しとか多額の剰余金がもう何というか、恒常的にあるような特会もございます。そうして、それをそのままにしておくと国全体の歳出歳入というものが非常に硬直化してくるという欠点が指摘されているわけで、まあプラスの面とマイナスの面と両方あるんだろうと思います。
 それで昨年十一月、財政制度等審議会で御報告をいただきまして、報告書をいただきまして、この中に、「恒常的に不用を生じ多額の剰余金が発生しているものや、積立金等の保有高が一定の合理的な限度を超えている特別会計について、その要因を精査し、」「歳出の合理化を進めるとともに、一般会計からの繰入れの減額、一般会計への納付等、国全体の財政資金の効率化の観点も踏まえ見直しを図る必要がある。」と、こういうふうに指摘していただいて、歳入歳出構造の硬直性をどう取り除いていくかということで、基本的な考えを示していただくと同時に具体的な提言もいろいろいただきました。それから、それを受けまして、また今年も財政審でこの特会の見直しをしていただきまして、その報告書でも追加的な提言をいただいております。
 こういう提言などを指針として特別会計の見直しを積極的に進めてまいりたいと思っておりますし、特に委員、この中で、昨年指摘されました中で、特別会計見やすいというけれども、数もたくさんあってその全体像を把握していくというのはなかなか容易ではないということがございます。全体像もできるだけ把握しやすい資料等を作って、また国会でも相当御審議をいただいたところでございますが、今後とも全体像を把握して、国会でも活発な御審議をいただくように、私どもも努力をして資料を作ってまいりたいと思っております。

○山下英利君
 ありがとうございました。
 引き続き、特別会計については、本当に分かりやすいというところに視点を置きましてこの改革、見直しを進めていただきたいと、そういうふうに思うところでございます。
 続きまして、私はこの決算というところの大変重要な役割を果たしているいわゆる検査というものにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 いわゆる会計検査院の検査と、それからこれは要するに事務手続の検査ということであります。そして、もう一つは予算が適切に使われているか、これについては予算の執行調査というのを財務省もやっていただいているところでありますけれども、予算が適正に使用されているかチェックする機能としてこの二つの今申し上げたことにつきまして、会計検査院の検査は、現状、カバー率見ましても本省で約四割、四一・二%ですか。そしてこれは、今度は地方におきます出先、これのカバー率なんかを含めますと二割程度に落ち込んでしまうと。
 要は、その検査のできるエリアというか範囲はまだまだ限られた部分ということはこれは否定できないところであります。で、会計検査院の調査官の数も八百五十人と、まあ人的に見てそれで本当に全部カバーできるのかといったら、これはなかなか厳しいんではないかなと、そういうふうに私は思います。
 そういった中で、会計検査院の検査の指摘金額が、これは年々増加してきております。ここ数年来ずっと増加なんです。ということは、これ検査院、検査非常に頑張ってもらっているということは言えると思うんですが、そういった中で、まだまだこの検査というものを充実させていくためには、これやはりもっと抜本的な検査体制の構築、これが必要ではないかなと、そういうふうに私は思うところであります。また、一方で、財務省予算執行調査についても、これは財務省の中で非常に限られた部分でやっているということであります。
 政策評価というものを予算に反映させるといった意味において、そして決算の中でその政策評価というものとしっかりと突き合わせをして、実際有効に予算が使われているかという面におきましては、まだまだ限られた部分でやられているこの予算執行調査というものにつきましても、これからどういう体制でもっとカバー率を広げていけばいいのかというところは非常にこれから見ていかなければいけないと、そういうふうに思っているところであります。これは、谷垣大臣にお聞きをいたしたいと思います。
 それから、もう一つ加えて申し上げますと、先ほどの会計検査院の検査に戻るんですけれども、いわゆる一般職員の不祥事だけでなくて、やはりその件数の多くが本当に単純なミスなんです、ミスということもあるわけです。例えば、会計処理が違っているとかですね。そういったことにつきましては、会計検査院が入って検査をする前に、やはり内部的な検査体制、これもしっかりするということは必要ではないかと思います。今日は谷垣大臣にお聞きをしたいと思います。
 そして、加えて、そういった中で、そういった検査で指摘される部分も含めますと、いわゆる随意契約というのが最近よく話題に上がってまいります。例えば、競争で入札した場合にはいわゆる普通の契約。しかし、そういった競争入札というものじゃなくて、むしろ随意契約の方が金額も小口であればコストも安く付きますし、いいという判断もあろうかと思いますけれども、今度はその随意契約の基準というものを悪用した、まあ言ってみれば小口化して随意契約で処理してしまうといったことが事件として出てきている中で、こういった随意契約の問題について財務省の方としてどういうふうに見ておられるのか、その辺のところを答弁をお願いいたします。
○国務大臣(谷垣禎一君)
 会計検査院の平成十五年度決算検査報告で指摘金額が四百三十億に上がっていると、年々増えているということはもう大変残念なことで、我々としてもこれは厳粛に受け止めて、改革をしなきゃいかぬと、このように思っているわけでございます。
 財務省としては、予算執行調査というのをやっておりますが、これは予算担当者、主計としての問題意識などをきっかけとして予算編成に役立てるためにやっているものでございますから、これはこれでそれなりの効果を上げておりますけれども、限定されたものであるということも事実でございます。
 今、委員から、内部監査の強化についてもう少しやる必要があるんじゃないかというお問い掛けがございましたけれども、これをどういう、もう少し内部監査を強化できるかというのは、私どももよくこれから考えていかなきゃならないポイントの一つじゃないかと思っておりまして、総務省あるいは会計検査院ともよく連携を図って、私どもも国民からお預かりした金が有効に使えるようなことを更に工夫していかなきゃいけないと、こう思っております。
 それから、随意契約の問題をお触れいただきましたけれども、今の会計法令では一般競争入札が原則でございますが、契約の性質が競争を許さないといった一定の場合には随意契約によることを認めているわけでございます。しかし、こういう随意契約でも透明性、効率性というものが確保されなければならないのは当然でございますけれども、随意契約の場合は入札公告等が行われないとか、それから特段の理由もなく少額の調達に分割して随意契約としているとか、あるいは随意契約によるものの大きな部分が委託契約で、再委託とか再々委託が繰り返されて効率性が損なわれていると、いろんな問題がございます。
 先般の閣議後の閣僚懇談会でも、総理から、会計検査院の検査報告で随意契約の問題点が指摘されているという御発言がありまして、各閣僚に対して、参議院での決算審査の内容などを踏まえた改革に率先して取り組めと、こういう御指示をいただいたところでございます。
 私の方からは、随意契約について透明性の向上等に向けた方策を検討していきたいという発言を行ったわけですが、今委員からも随意契約の見直しについて御提言をいただいたことも踏まえまして、財務省としては取りまとめを全省庁に率先して行いたいと思っておりまして、来年度予算の政府原案決定までには私どもとしての方針を取りまとめたいと思いまして、今作業しているところでございます。

○山下英利君
 ありがとうございました。
 それじゃ、私の担当ということで、もう一問だけ質問をさせていただきたいと思います。
 景気も大分良くなってきたというふうな話もお聞きするんですけれども、地方はまだまだまだら模様だと。これはいわゆる大企業、中小企業、それから地域性というところでまだら模様の、まだ景気回復が本当に実感として伝わってこないと、そういった状況ではあります。
 ここでお聞きをしたいのは、いわゆる信用保証制度、これについてであります。
 銀行が、実際にはこれは信用保証協会等の保証付きでやっておりますから銀行の不良債権という形にはなっていないんですけれども、ただ中小企業総合事業団信用保険部門、これの決算を拝見いたしますと、この信用保証制度における中小企業融資の焦げ付きというものがかなり多いんではないか、そのような印象を持っております。
 実際に、保険金の支払額、これも大分多くなってきております。平成十五年の損失を見ましても、ネットで三千七百八十八億円、損失だけを見ますと九千六百十九億円、こういった数字が出ております。ネットと申しますのは、今度は保証料の収入もありますから、その分差し引きますとその程度の金額だと。言ってみれば、金融機関では実際に不良債権ではないんだけれども、これがいわゆる政府系の中で不良債権化しているということは言えるんではないかなと、そういうふうに思います。
 そこで、中川経済産業大臣にお聞きをしたいんですが、この信用保証制度、これと併せて他の政府系金融機関を含めたセーフティーネットとしてのこの中小企業融資、不良債権に対して考えをお聞かせいただきたいと思います。ちなみに、中小企業、今必死で頑張っている正に地方の中小企業を支えるための最後のとりでというふうなところも私は非常に強く聞かされているところでありますので、どうぞ御答弁よろしくお願い申し上げて。
○国務大臣(中川昭一君)
 今、山下委員御指摘のように、日本経済全体としては良くなっている方向だということですけれども、地域によって、また業種によって、そしてまた日本経済の土台ともいうべき中小企業は全体にまだまだ厳しい状況にあるという認識でございます。したがいまして、頑張っているところでちょっと苦しいところに対してどうやって支援をやっていくかということは、もちろん民が主体であって、官、政府系金融機関等がバックアップをするというのは基本的な考え方ではありますけれども、民ができない部分について政府系金融機関あるいはまた保証制度というものを大いに活用していただきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
 その結果、民の査定なりその結果の不良債権率と、官のあるいは無担保無保証等の制度あるいは保証制度によるいわゆる不良債権率とは、若干時間的にも、それから質的にも後れてくるというのが現状だと思います。これはもう官の役割として最後のとりでというお話がありましたが、私もそういう認定で、認識でずれているということが現実だと思っております。
 他方、その結果、余りにも何でもかんでも貸手不良になるということも、これは公的な制度、公的な資金である以上はおのずから限界があるということは重々認識をしております。したがいまして、資産のきちっとした管理等も含めまして、総合的にきちっとしたチェック体制等を、その官の立場、補完の立場、あるいは信用保証という趣旨の立場を前提にしてやっていきながら、引き続き中小企業に対する支援は積極的にやっていきたいというふうに考えております。
○山下英利君
 どうもありがとうございました。
 私の質問をこれで終わります。(拍手)




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