議 事 録


■第161回国会 参議院財政金融委員会 (平成16年10月26日)


○委員長(浅尾慶一郎君)
 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山下英利君。
○山下英利君
 自由民主党の山下でございます。
 委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。
 今回の委員派遣は、去る九月二十一日、二十二日の二日間、北海道に参りました。派遣委員は、浅尾委員長、平野理事、尾辻前理事、大塚前理事、峰崎前理事、松山委員、大久保委員、富岡委員、広田委員、円委員、西田委員、山口委員、大門委員、糸数委員及び私、山下の十五名であります。派遣地におきましては、北海道財務局、札幌国税局、函館税関、札幌国税不服審判所、日本銀行札幌支店、国民生活金融公庫札幌支店、日本政策投資銀行北海道支店から、それぞれ管内の概況説明を聴取するとともに、地元金融機関との意見交換を行ったほか、地場産業等を視察してまいりました。
 以下、調査の概要について申し上げます。
 まず、北海道経済の概況と最近の動向につき、申し上げます。
 北海道は、面積が約八万三千四百五十五平方キロメートルで、我が国国土の約二二%を占め、人口は約五百六十五万一千人となっております。道内総生産は二十兆八千百九十億円で、全国の四・一%となっており、総生産額や人口等の全国シェアから四%経済と言われております。
 産業構造面では、全国に比べて第一次産業の割合が高い一方で、第二次産業の割合が低く、特に製造業の構成割合は、全国の二〇・五%に対して、北海道では九・六%となっております。また、公的資本形成の割合が全国に比して高いという特徴があります。
 最近の北海道経済を見ますと、下げ止まりに向けた動きが続いております。
 個人消費は、百貨店の売上げが前年を下回るなど、やや弱い動きとなっております。また、平成十六年度の企業収益は増益見通しであるものの、生産活動や雇用情勢はおおむね横ばいであり、特に北海道における有効求人倍率は〇・五倍程度と全国に比べても厳しい状況にあります。
 北海道財務局によりますと、こうした経済の回復の遅れの背景については、産業構造上、製造業の構成割合が低く、好調な輸出産業の経済波及が少ない点と公共事業の減少を挙げられるとのことです。このため、北海道の特性を生かした産業転換等の取組として、情報産業やバイオ産業などの新規事業の創設、観光立国北海道の実現、農漁業の優位性を生かした既存産業の振興などが課題となっております。
 また、道内には、地方銀行三行のうち第二地方銀行二行、信用金庫二十八金庫、信用組合八組合の金融機関が所在しており、信用金庫のシェアが全国平均に比し高くなっております。
 次に、税務行政について申し上げます。
 札幌国税局によれば、管轄には小規模税務署が多い一方、札幌市内五署に定員の四〇%が集中している状況とのことであります。
 管内の平成十四年度の徴収決定済額は一兆四千二百二十四億円で、全国の約二・七%となっております。その内訳を見ますと、全国に比し揮発油税等や酒税の割合が高い反面、法人税や相続税の割合が低いといった特徴があります。
 ここで、国税不服審査の状況についても触れますと、平成十五事務年度の国税不服審査請求事件は、発生百八件となっております。処理された六十六件のうち、一部取消し、全部取消しとなったものがそれぞれ九件、八件で、処理件数の二五・七%が少なくとも何らかの形で請求人の主張が入れられたところであります。
 次に、税関行政について申し上げます。
 函館税関の管轄は、北海道及び青森県、岩手県、秋田県の北東北三県で、全国の三割強を占めております。地理的関係などからロシア籍船舶の入港実績が全国第一位となっており、税関空港でない地方空港における国際旅客チャーター便の入港がここ数年で急増しているとのことです。また、管内の関税法違反事件の推移を見ますと、密輸出の摘発事案が急激に増えている状況にあります。
 次に、日本銀行札幌支店等からの概況説明の内容について簡単に申し上げます。
 日本銀行札幌支店からは、県内企業の業況判断は全国平均に比し低位にとどまっており、一部には明るい動きがあるものの、全体としては、回復の動きがなかなか波及してこず、全国とは様相を異にするとの説明がありました。
 国民生活金融公庫札幌支店からは、貸付実績の動向を見ると、回復基調にはあるが弱含みであることのほか、セーフティーネット貸付の動向や無担保無保証人制度の活用事例の紹介などがありました。
 日本政策投資銀行北海道支店からは、融資残高は平成十六年三月末で六千三百十四億円となっており、最近の出融資の事例として、知的所有権を担保とした融資事例やインキュベーションファンドを通じたバイオテクノロジー分野への投資、事業再生ファンドへの出資事例等につき、説明がありました。
 説明聴取の後、金融機能強化特別措置法の具体的な適用見通し、事業資金需要の実態、政府投資に依存した建設業界における事業の再生、転換に向けた取組の状況、社会悪物品等に対する水際取締りの強化等について活発な意見交換を行いました。
 また、民間金融機関との意見交換におきましては、地方銀行二行並びに信用金庫及び信用組合それぞれ一機関の各代表から、北海道経済の現況を踏まえた貸出動向や不良債権処理の実情等について説明がありました。
 具体的には、民間資金需要について、特に事業性資金の需要が低迷しており、それを個人向け消費ローンや住宅ローンなどで補っている実情が示され、不良債権処理については、大口のものを中心とした従来からのものはほぼ処理が終わっているとの認識がそれぞれの金融機関から示されました。また、協同組織金融機関における企業再生支援の実施状況についても説明がありました。さらに、信用組合業界からは、金融機能強化の観点から、協同組合等に係る貸倒引当金の割増特例の適用期限の延長等についての要望がありました。説明聴取後、郵政民営化に伴う経営への影響、金融機関再編による経営上の効果等について派遣委員との間で意見交換が行われました。
 最後に、視察先について簡単に紹介いたします。まず、株式会社ダイナックスは自動車のクラッチ摩擦材等の製造メーカーでありまして、独自優位技術の開発に努め、創立後三十年で世界シェア三〇%に至るまでに成長した企業であります。また、北海道ワイン株式会社は、北海道産のブドウにこだわったワイン造りをされ、関連会社による直営農場面積は四百ヘクタール以上という企業であり、独自技術による発泡酒製造も手掛けております。このほか、昨年五月に開設されました日本銀行旧小樽支店金融資料館の視察を行いました。
 以上、概略を申し述べましたが、今回の派遣におきまして調査に御協力いただきました関係行政機関、金融機関及び事業所の方々に対しまして、この席をかりまして厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。






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