山下英利 IN ACTION
〜Journalism 寄稿文〜

新聞・雑誌等の掲載文です。

■郵政事業のあり方

京都新聞(政論・2002通常国会)2002年6月3日


 郵政事業には、民営化すべき部分も民営化になじまない部分もある。その仕分けがされないまま、いきなり法案が出てきた。総論の前に各論に入ったようなものだ。郵政の将来ビジョンも不透明で、論議がかみ合っていない。

 まずは公社化して、郵便、貯金、など事業部門ごとの採算性を見えるようにしてから、どこを民営化すべきか検討するのが順序だ。今は、情報公開が不十分で、郵政事業の中身が見えないため、論議のしようがない。

 考え方の基本は、民営化が住民サービス向上につながるかどうかだ。サービスが低下するなら民営化はできない、という判断になる。

 全国に展開する郵便局は、民間金融機関の恩恵を受けられない人もカバーし、地域行政サービスの拠点にもなりうる。郵便貯金ATM(現金自動預払機)の銀行との連携など、まだ工夫の余地もある。民間から提案させサービス提供を確約させるのも一案だ。

 小泉首相は、郵政民営化を「構造改革の一里塚」と言い、周囲も過剰に反応している。もし、郵政事業の将来像が明確なら、短時間で結果が出なくても、世論は「改革は進行中」と受け止める。問題なのは、展望が見えてこないことだ。








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