山下英利 IN ACTION
〜Journalism 寄稿文〜

新聞・雑誌等の掲載文です。

「参院議員 その存在」 ■下■

朝日新聞2004年6月13日

休まない「足」

 午前9時、大津市の皇子山陸上競技場
 午前10時、陸上自衛隊大津駐屯地
 障害者スポーツ大会と駐屯地の創立45周年記念式典に出席した後、昼食は地元事務所でファーストフードを口にした。

 5月23日の日曜日。自民の参院議員、山下英利(51)=今回非改選=は忙しい一日を送った。
 午後1時半からは、大津市内のホテルで、資金管理団体の役員会に出て国政報告をし、車で長浜市へ移動。午後6時すぎ、後援会の役員会で、7月の参院選での協力を依頼した。
 大津市内のマンションに戻ったのは深夜。1日の移動距離は約200`に及んだ。車を運転した秘書は言う。「1日で琵琶湖を1周することもよくあります」
 この日の日程表には7件の予定があったが、3件は秘書が代理出席したり、電子郵便でメッセージを送ったりして「顔」をつないだ。

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 地元事務所には連日、各種の行事や会合の案内状が県内全域から届く。衆院議員の秘書も経験した山下の秘書は「衆院は県内4選挙区。参院は全県1区なので、衆院議員の倍以上、来ます」と日程表をめくった。
 山下は国会会期中、金曜夜の新幹線で東京から地元に戻り、日曜夜の便で東京へ向かう。その間、可能な限り行事へ顔を出すが、熱心な支援者からは「顔が見えない」「久しぶりに会ったな」と声をかけられる。
 ある県議は週末、地元の衆院議員をよく見かける。先日も、支援者の結婚式と地域行事の会場で顔を合わせた。「参院議員は県全域が対象。仕方ないよ」と理解を示す。今期限りで引退する自民の参院議員、河本英典(55)は自らの体験から「野球場の広い外野を1人で守るようなものだ」と言った。

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 「7月に衆参同日選」5月下旬、東京・永田町にうわさが流れた。終盤国会で最大の焦点だった年金改革関連法案で審議が混乱したり、廃案になったりすれば、小泉首相が解散・総選挙に打って出るという憶測が背景にあった。
 民主の衆院議員、奥村展三(59)も同僚からうわさを耳にした。結局、首相は5月末に衆参同日選を否定したが、「衆院議員は常にピリピリしている」と奥村は言う。
 参院議員も経験した奥村は「任期6年の参院議員になったときは、任期の残り2年で次の選挙の準備ができると思った。しかし、衆院はいつ解散があるか分からない」と言い、地元へ帰る回数を増やす考えだ。
 「参院は解散がないから、6年間は安泰だ」
 昨秋の総選挙。応援に駆けつけた選挙事務所で、山下は支持者らからそう言われた。しかし、山下には「6年もたつと、忘れられてしまう」という危機感がある。01年にホームページを開設し、支援者へ活動報告を送ったり、ファックスやメールで近況を伝えたり、情報発信に力を入れている。「それでも、全県を1人でカバーするのは並大抵ではない」と感じている。 

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 近づく参院選。今回、滋賀選挙区に立候補を予定する自民の上野賢一郎(38)、民主の林久美子(31)、共産の林俊郎(59)の新顔3人は毎日、県内各地を駆けめぐっている。だが、有権者は約106万人。直接会える人数は限られている。
 山下は言う。
 「だから、参院選は組織選挙にならざるを得ないんだ」
(敬称略)


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「朝日新聞」より

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